佐渡市は、新潟県の佐渡島1島からなる市で、2004(平成16)年に1市7町2村が合併して発足した。両津港には新潟港から定期航路が通じ、市の玄関口となっている。ほかに小木港―直江津港、赤泊港―寺泊港などの航路もある。国道350号が通じる。
 有人離島としては日本で最大で、海岸線延長は約280km、面積は約860km2で、東京23区の約1.5倍の大きさがある。北に1,172mの金北山を主峰とする大佐渡山地、南に小佐渡丘陵が並行して走り、中央部に国仲平野が広がっている。
 北の大佐渡山地と南の小佐渡山地にはさまれた国中平野は古くから米どころとして知られ、果樹栽培も盛んで、おけさ柿は特産品。
 外海府海岸や小木半島などが佐渡弥彦米山国定公園に含まれ、尖閣湾、南仙峡などの景勝地がある。中世には遠流の島として順徳上皇や日蓮が流され、江戸時代には佐渡金山が栄えて、それらにちなむ史跡も多い。宿根木(重要文化的建造物群保存地区)、佐渡トキ保護センター、様々な芸能(佐渡おけさ、鬼太鼓、 能、文弥人形、つぶろさし、春駒、のろま人形)もよく知られている。この他、佐渡島には太鼓芸能集団「鼓童」が1988(昭和63)年より開催している夏のフェスティバル「アースセレブレーション」も有名である。

観光資源一覧

加茂湖の写真

加茂湖 (新潟県 佐渡市 )

両津湾が、北から南から発達してきた砂嘴によって仕切られ、加茂湖が誕生し、両津市街地で海と隔てられた海跡湖である。むかしは越ノ湖と風雅な名で呼ばれた淡水湖であったが、1904(明治37)年に水害予防と船溜まりのため湖口を開削、そのため、海水が流れこんで、鹹湖(かんこ)*となった。  面積4.85km2は県内最大であり、...

大野亀の写真

大野亀 (新潟県 佐渡市 )

願集落の西端から海に突き出した、大亀が寝ているような姿の巨岩。標高167mの一枚岩の岩壁は雄大そのもので、岩肌を草が覆っている。  半島の付け根一帯は草原になっており、5月下旬~6月上旬にかけて、50万株100万本のトビシマカンゾウの群落が一面に花咲くと、青い海を背景に黄色のカーペットを敷いたようでみごとである。

佐渡金銀山の写真

写真提供:新潟県観光文化スポーツ部文化課世界遺産登録推進室

佐渡金銀山 (新潟県 佐渡市 )

国史跡の佐渡金銀山遺跡は、「佐渡島(さど)の金山」の名称で、2022(令和4)年2月に世界遺産候補としてユネスコに推薦された。  佐渡島の金生産の最古の記録は、平安時代後期(12世紀)に編纂された『今昔物語集』で、佐渡島で金を採取したという説話が収録されている。15世紀半ばには佐渡へ流された世阿弥が『金島書』の中で、佐渡島を...

トキの森公園の写真

写真提供:新潟県佐渡市

トキの森公園 (新潟県 佐渡市 )

トキ*の森公園には、「トキふれあいプラザ」と「トキ資料展示館」とがある。前者では、飼育ケージ内を生息環境に近い状態にして、トキの採餌、飛翔のほか、抱卵や子育てなどトキの生態を間近で観察できる。後者では、展示テーマを「保護から共生そして未来へ」と題し、近年リニューアルした展示物や従来展示していた「キン」のはく製などを...

宿根木集落の写真

宿根木集落 (新潟県 佐渡市 )

宿根木は、海岸段丘下の入り江に形成された集落である。集落は鎌倉時代から南北朝時代にかけて成立したと考えられる。江戸時代以降、宿根木は西廻り航路の寄港池として繁栄し、北前船の船主や船大工が集住し、一般の港町とは様相が異なっていた。  宿根木の住居は、舟板を用いた独特な家が多く、かつては石置板葺で、全体に外観は質素であ...

妙宣寺(阿仏房妙宣寺)の写真

妙宣寺(阿仏房妙宣寺) (新潟県 佐渡市 )

佐渡に配流された順徳上皇*の供をしてきた北面の武士遠藤為盛(えんどうためもり)は、上皇崩御ののち、出家して阿仏房日得(にっとく)となった。その後、流されて塚原に謫居中の日蓮に、妻千日尼と共に帰依し、いろいろと尽した。その子盛綱が父母の志を継いで、その住居を寺としたのが始まり。  寺地はアカマツの林の中にあり、江戸末...

佐渡の人形芝居の写真

写真提供:佐渡市教育委員会

佐渡の人形芝居 (新潟県 佐渡市 )

「佐渡の人形芝居」とは佐渡島に所在する「文弥人形」*「説経人形」*「のろま人形」*の三つの人形芝居の総称であり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。   佐渡の人形芝居は、およそ300年前、佐渡の住民が京から人形一組を持ち帰って一座を起こしたのが始まりとされている。明治末年には「文弥」「説経」をあわせて島内に30近い...

佐渡の能・狂言の写真

佐渡の能・狂言 (新潟県 佐渡市 )

佐渡では、宝生流の能楽が盛んである。かつて観世三郎元清(世阿弥)*が流されて来た影響もあるが、慶長年間(1596~1615年)に金山奉行となった大久保長安が、猿楽師の出身で、能を奨励したことによるといわれる。今でも、島内の古い宮には能舞台が見られ、1924(大正13)年に訪れた大町桂月も「鴬や十戸の村に能舞台」と詠んだほどである...

佐渡国分寺跡の写真

佐渡国分寺跡 (新潟県 佐渡市 )

奈良時代、諸国に建てられた国分寺の一つ、佐渡国分寺の跡。真野宮から県道約3km北上した松林に、国分寺史跡公園として整備されている。面積約2,000m2、金堂・中門・回廊・七重塔跡の礎石が芝生の中に並び、往時の伽藍配置がよくわかる。特に金堂と中門をつなぐ回廊があったのは珍しいといわれる。また、金堂の東に残る礎石は平安...

アース・セレブレーションの写真

写真提供:アース・セレブレーション実行委員会

アース・セレブレーション (新潟県 佐渡市 )

佐渡市小木を拠点に活動する太鼓芸能集団「鼓童」は1981(昭和56)年に設立。1988(昭和63)年から国際芸術祭「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を佐渡で開始する。毎年、8月下旬の金曜日から日曜日の3日間開催。期間中、国内外のアーティストが佐渡に集い、佐渡島内外から大勢の人が訪れ楽しむ。  鼓童は佐渡南西部に位置する...

佐渡おけさの写真

写真提供:一般社団法人佐渡観光交流機構

佐渡おけさ (新潟県 佐渡市 )

佐渡おけさの由来については諸説あるが、その前身は九州のハンヤ節といわれ、それが江戸時代、北前船の西廻り航路によって、関西から北陸・越後を経て佐渡に入り、今日の哀調を帯びたおけさになった。  「おけさ」は、新潟県内では、佐渡のほかにも、出雲崎、寺泊、小千谷、蒲原、魚沼地方にも伝わる。鉱山の作業歌であったおけさが、佐渡...

根本寺の写真

根本寺 (新潟県 佐渡市 )

国仲平野の中部、緑の森の中にある。1271(文永8)年佐渡に流された日蓮が配所した塚原*の三昧堂(さんまいどう)跡に建てられた寺で、日蓮宗十大聖跡の一つ。  参道は一周できるようになっていて、左手が行きで、戒壇塚、再建された三昧堂、二王門、二天門をくぐり鐘堂・経蔵・宝蔵・千仏堂がつづき、正面に祖師堂。右手に本堂がある。こ...

蓮華峰寺の写真

蓮華峰寺 (新潟県 佐渡市 )

蓮華峰寺の中心は金堂*であり、その西方に守り神である小比叡神社*があるという、寺院と神社が一体の区域の中に建てられており、神仏習合の面影を残している。  806(延暦25・大同元)年頃、空海が開いたと伝えられ、嵯峨天皇の勅願寺となったという由緒ある古寺。ここが京都の鬼門にあたるところから、比叡山にならって皇城鎮護のために...