佐原の大祭(八坂神社、諏訪神社)さわらのたいさい(やさかじんじゃ、すわじんじゃ)

「お江戸見たけりゃ佐原へござれ 佐原本町 江戸優り」と唄われた佐原では、商業都市としての財力を背景に、独自の文化を築いた。毎年夏と秋に行われる「佐原の大祭」もその1つである。
 佐原にある24地区は、それぞれ山車を有しており、最上部の「大天井」と呼ばれる部分には、日本神話も含む歴史上の人物の人形や鯉・鷹といった動物の藁人形が添えられている。山車の全長は約9m、このうち人形部分は4~5mにも及び、日本最大級である。古くは簡素な造りの人形や草木を飾っていたが、1733(享保18)年に関戸町が立派な猿田彦(大天狗)の飾り物を出したところ評判を呼び、それ以降関戸町は猿田彦の人形を飾ることとなった。他の地区も関戸町にならい、飾り物を固定することとなった。
 夏の3日間に行われる「八坂神社祇園祭」では、24地区のうち10地区(10台)の山車が町を練り歩き、秋の3日間に行われる「諏訪神社祭り」では、残りの14地区(14台)の山車が登場する。いずれも午前10時から午後10時までの間、互いに競い合うようにして町中を進む。特に、山車に向かって左前の車輪を軸として「の」の字の形に回転させる「のの字廻し」には高度な技術が求められ、いかに軸をずらさずに回転させるかが問われる。
 祭りで流れる佐原囃子も特徴的であり、佐原の山車行事とともに国の重要無形民俗文化財に指定されている。
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みどころ

24台の絢爛豪華な山車が町を練り歩く姿は壮観である。特に、山車に飾られている人形は地区ごとに異なるため、見比べを行うのも楽しみの一つである。朝から夕方にかけては勇猛果敢な様子を楽しみ、夜は幻想的な雰囲気を感じることができるので、1日中祭りに浸りたい。
 なお、初めて祭りを見る人は、祭りへの理解度を高めるためにも、事前に「水郷佐原山車会館」を訪れ、説明内容や展示品などに触れることをお奨めする。(牧野 博明)
関連リンク 香取市(WEBサイト)
参考文献 香取市(WEBサイト)
パンフレット「水郷佐原山車会館」

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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