志波彦神社・鹽竈神社
JR仙石線本塩釜駅から西へ東参道を通り徒歩15分、またはJR東北本線塩釜駅から表参道経由で徒歩25分の場所にある。
鹽竈神社は奥州一ノ宮として名高く、杉木立におおわれる一森(いちもり)山の頂、松島の島々や遠く金華山を眺望できる地に鎮座する。表参道からは石鳥居をくぐり、一直線で急勾配の202段の石段を登り切ってたどり着く。そのすぐ東側、同じ境内に志波彦神社*がある。
鹽竈神社は海上安全・安産守護・塩業守護、志波彦神社は農業守護・国土開発・殖産の神として崇敬されている。
鹽竈神社博物館*がやや下ったところに立つ。鹽竈ザクラ(国天然記念物)*・多羅葉(たらよう)*など多くの植物が繁茂しており、花菖蒲、県花であるミヤギノハギなどが境内に彩りを添える。林子平*が長崎より持ち帰った中国渡来のロウバイや拝殿の前には、彼が製作に携わった日時計がある。
創建は明らかではないが、平安時代初期に編纂された「弘仁式」によると、陸奥国正税の6分の1にあたる1万束(ぞく)の高額の祭祀料を受けており、陸奥国最大の神社となっていたといわれる。鎌倉時代以降は陸奥国留守職伊澤氏、江戸時代には伊達氏の尊崇を受けた。現在の社殿は、伊達家4代藩主綱村と5代藩主吉村が、1704(宝永元)年に竣工した。
鹽竈神社は奥州一ノ宮として名高く、杉木立におおわれる一森(いちもり)山の頂、松島の島々や遠く金華山を眺望できる地に鎮座する。表参道からは石鳥居をくぐり、一直線で急勾配の202段の石段を登り切ってたどり着く。そのすぐ東側、同じ境内に志波彦神社*がある。
鹽竈神社は海上安全・安産守護・塩業守護、志波彦神社は農業守護・国土開発・殖産の神として崇敬されている。
鹽竈神社博物館*がやや下ったところに立つ。鹽竈ザクラ(国天然記念物)*・多羅葉(たらよう)*など多くの植物が繁茂しており、花菖蒲、県花であるミヤギノハギなどが境内に彩りを添える。林子平*が長崎より持ち帰った中国渡来のロウバイや拝殿の前には、彼が製作に携わった日時計がある。
創建は明らかではないが、平安時代初期に編纂された「弘仁式」によると、陸奥国正税の6分の1にあたる1万束(ぞく)の高額の祭祀料を受けており、陸奥国最大の神社となっていたといわれる。鎌倉時代以降は陸奥国留守職伊澤氏、江戸時代には伊達氏の尊崇を受けた。現在の社殿は、伊達家4代藩主綱村と5代藩主吉村が、1704(宝永元)年に竣工した。

みどころ
鹽竈神社への道は、202段の急な階段を上る表参道、もっとも古い参道とされるつづら折りの七曲坂、ゆるやかな石畳の東参道、これら3本の参道を大きく回る車道があり、年齢、車利用など、多様な人々を受け入れるように配慮されている。荘厳な社殿と美しく調和する「一森山」の神域を、地元民は親しみをこめて「お山」と称し、全国的にも「しおがまさま」と尊称されている。
南向きの左宮と右宮、西向きの別宮の三本殿と二拝殿の社殿に加え、四脚門・回廊・隋神門が整然と並ぶ構成は類例がなく、2002(平成14)年に、本殿以下十四棟の建築と石鳥居一基が国の重要文化財に指定された。
参拝を終えたら、町の散策をおすすめしたい。江戸時代創業の味噌・醤油店や和菓子店といった数百年も続く老舗をはじめ、明治・大正時代、そして戦後に建てられたものまで、門前町として栄えてきた長い歴史を感じさせる趣深い店や建築が目白押しである。
南向きの左宮と右宮、西向きの別宮の三本殿と二拝殿の社殿に加え、四脚門・回廊・隋神門が整然と並ぶ構成は類例がなく、2002(平成14)年に、本殿以下十四棟の建築と石鳥居一基が国の重要文化財に指定された。
参拝を終えたら、町の散策をおすすめしたい。江戸時代創業の味噌・醤油店や和菓子店といった数百年も続く老舗をはじめ、明治・大正時代、そして戦後に建てられたものまで、門前町として栄えてきた長い歴史を感じさせる趣深い店や建築が目白押しである。

補足情報
*製塩と鹽竈神社:別宮の祭神塩土老翁神は海藻を用いて鹹水を作り、これを煮つめて塩を作る方法を民衆に教えたという。市内本町にある末社御釜神社には塩土老翁神が用いたとされる鉄釜4基が奉安されている。同社では、7月の初めに鹽竈神社藻塩焼神事が行われる。
*左宮・右宮と別宮:左宮と右宮は2つの本殿と共通の拝殿があり、回廊で結ばれる。別宮は鹽土老翁神(しほつちおぢのかみ)、左宮は武甕槌神(たけみかづちのかみ)、右宮は経津主神(ふつぬしのかみ)を祀る。
*志波彦神社:多賀城国府に入る交通の要所、現在の宮城野区岩切に延喜式内名神大社として鎮座。1871(明治4)年、国幣中社に列格、1874(明治7)年、鹽竈神社の別宮本殿に遷祠される。1934(昭和9)年、現在地に工事を起こし、1938(昭和13)年に遷座される。
*鹽竈神社博物館:例祭で使用される神輿をはじめ神社関係の資料や宝物、また塩業や漁業関係の資料が展示されている。
*鹽竈ザクラ:堀河天皇(在位1087~1107年)の御製ほか、古くから歌に詠まれた著名な桜。サトザクラ系の八重桜で例年5月初旬に満開になる。
*多羅葉:モチノキ科に属する亜熱帯植物。植栽可能な北限地帯で、このような大木は珍しい。
*林子平:江戸時代後期の経世家。寛政三奇人の一人。海外事情に精通し、海防に心を注いだが、幕府の忌憚にふれて禁錮。鹽竈神社の神官の1人である藤塚知明と深い親交を結んだ。
*左宮・右宮と別宮:左宮と右宮は2つの本殿と共通の拝殿があり、回廊で結ばれる。別宮は鹽土老翁神(しほつちおぢのかみ)、左宮は武甕槌神(たけみかづちのかみ)、右宮は経津主神(ふつぬしのかみ)を祀る。
*志波彦神社:多賀城国府に入る交通の要所、現在の宮城野区岩切に延喜式内名神大社として鎮座。1871(明治4)年、国幣中社に列格、1874(明治7)年、鹽竈神社の別宮本殿に遷祠される。1934(昭和9)年、現在地に工事を起こし、1938(昭和13)年に遷座される。
*鹽竈神社博物館:例祭で使用される神輿をはじめ神社関係の資料や宝物、また塩業や漁業関係の資料が展示されている。
*鹽竈ザクラ:堀河天皇(在位1087~1107年)の御製ほか、古くから歌に詠まれた著名な桜。サトザクラ系の八重桜で例年5月初旬に満開になる。
*多羅葉:モチノキ科に属する亜熱帯植物。植栽可能な北限地帯で、このような大木は珍しい。
*林子平:江戸時代後期の経世家。寛政三奇人の一人。海外事情に精通し、海防に心を注いだが、幕府の忌憚にふれて禁錮。鹽竈神社の神官の1人である藤塚知明と深い親交を結んだ。
関連リンク | 志波彦神社・鹽竈神社(WEBサイト) |
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参考文献 |
志波彦神社・鹽竈神社(WEBサイト) 塩竃市(WEBサイト) 『宮城県の歴史散歩』宮城県高等学校社会科(地理歴史科・公民科)教育研究会歴史部会=編 山川出版社 「しおがま」鹽竈神社 |
2025年07月現在
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