気仙沼のフカヒレ料理けせんぬまのふかひれりょうり

気仙沼でフカヒレが作られるようになったのは江戸時代とされる。当時は地元用でなく中国への輸出用で、金・銀・銅の代わりになるくらい貴重なものだった。気仙沼でサメの水揚げ量が多いのは、近海マグロの延縄漁業が盛んで、サメは、えさにつられてやってくるマグロを追ってきて、マグロとともにこの仕掛けに引っかかってしまうからである。さらに気仙沼は冬晴れの日が多く、乾燥と冷たい風が吹いてくるフカヒレの加工に適した気象条件。それに気仙沼の加工技術が優れているという、気仙沼は三点の条件をすべてクリアしているのである。
日本のサメの水揚げのうち80~90%は気仙沼で、ヨシキリザメが全体の約80%、ネズミザメ(モウカザメ)が約15%で、この2種がほとんど。朝6~8時に魚市場の見学デッキに行けば、水揚げされるサメの様子を見ることができる。「海の市」の2階には、シャーク・ミュージアム*があり、サメの実物模型や生態がわかるよう展示されている。
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みどころ

市内では、一番人気のフカヒレスープのほかに、フカヒレ姿煮、フカヒレ丼、フカヒレラーメン、フカヒレステーキなど各種フカヒレ料理を賞味できるし、サメの各種土産も購入できる。中華料理でフカヒレを含むと値段が高くなるのは、フカヒレとして使用できるのはサメ本体の1%に及ぶか及ばないのか程度のためである。
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補足情報

*シャークミュージアム:四つのゾーンに分かれ、ゾーン4がシャークゾーンで、サメ研究の権威、北海道大学名誉教授の仲谷一宏氏の監修で「サメの不思議」を紹介する。3分の1サイズでも全長4mのジンベエザメを最新映像技術で紹介。他の3ゾーンは、海と生きる、震災の記憶、絆となっている。

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