風蓮湖ふうれんこ

根室市と別海町にまたがる汽水湖*1。湖の周囲長は約96km、面積は約5750万m2、最大水深は11mで北海道では汽水湖としてはサロマ湖と能取湖に次いで3番目の大きさ。2005年にラムサール条約に登録されている。風連湖は根室湾の沿岸流によって湾の一部が閉鎖されてできた閉鎖湖で、別海町の本別海側から南東に延びる走古丹の砂州・砂堆と根室市側の春国岱の砂州・砂堆で根室湾と区分され、根室湾とは走古丹と春国岱の間と春国岱南東端の2箇所で繋っている。
 風連湖の名前は、湖の南西から流入する「風連川」*2に因み名付けられたとされる。
 湖岸部の砂礫、河川地域は泥炭によっておおわれ、低層・中間・高層の湿原や塩性湿地を形成し湿性、水生の植物群落が多く見られ、湖岸または海岸の砂丘・段丘には自然草原のほか、針葉樹林、針広混交林、広葉樹林などの森林がみられる。
 また、現在までに300種類ほどの野鳥が観察されており、冬にはオジロワシやオオワシが見られ、春と秋にはオオハクチョウも飛来し、展望施設*3もある。湖の北側の走古丹附近にはエゾシカが棲息し、魚介類も汽水湖であることから北海シマエビ・ニシンなどが豊富。
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みどころ

風連湖の景観は、北海道の東南端に近い寒冷地にある汽水湖のため、広々とした湖水は荒涼感を免れない。しかし、よく見渡すと、湖の周囲に広がる原生林や泥炭湿原などの植生が時間、季節により彩りを変化させ、汽水湖独特の湖水の色調と合わせ見応えがある。
 水辺の動植物を数多く観察できる湖であり、とくにシベリアから飛来するオオハクチョウは、羽をひろげると2m以上にもなる大型の鳥で、迫力満点。この観察には展望休憩施設白鳥台センター(道の駅「スワン44ねむろ」)が良い。館内正面には、総ガラス張りの展望窓が有り、風連湖や対岸の春国岱を一望でき、オオハクチョウが羽を休めたり、舞い上がる姿を見ることもできる。
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補足情報

*1汽水湖:塩水湖の一つで、海岸付近にあり、海水の影響により多少塩分を含む湖沼。淡水湖との区別は1リットル中に0.5g以上の塩分を含むこと。
*2「風連川」:「風連」は泥炭層の低地を流れる川で、鉄分の酸化などによって川の水が赤茶色になることから、「赤い川」をアイヌ語で意味する「フーレ・ペッ」に由来するという。
*3展望施設:釧路から根室市の中心街に向かう国道44号線と風連湖の南岸で接するところに展望休憩施設白鳥台センター(道の駅「スワン44ねむろ」)がある。ここでは、春と秋にオオハクチョウが、春から秋にかけてはタンチョウが、冬にはオオワシやオジロワシを観察することができる。 道の駅は全面ガラス張りで、春国岱や風蓮湖の風景を眺めながら地元食材が楽しめるレストランもある。

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