松前のサクラまつまえのさくら

松前城*の後方一帯を松前公園と呼び、約21万3,500m2もの広大な敷地内で史跡や多数の社寺が点在している。園内には約250種、合わせて8,000本近い桜があり、4月下旬から5月下旬にかけて次々と花を咲かせる道内有数の桜の名所である。別にこれらの桜の木を1ケ所に展示した桜見本園・桜資料館*があり、松前城から歩いて10分ほどのところに約90種100本の桜が植えられている新桜見本園もある。
 松前藩は無高の小藩であったが、海上交易を中心とした財政力があり京都の公卿家と親密なつながりがあったという。椿やいちじく、竹藪が残っているのもそうした名残であり、桜の品種の多さも、古い都とのつながりからである。
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みどころ

1945(昭和20)年頃から新品種が盛んに開発され、今では250種以上の桜が咲き、その約8割が八重咲きで美しい。公園には松前城、松前藩屋敷、寺町、日本庭園などもあり、緑と桜のコントラスト、桜の背景にある城の美しさなど見飽きることがない。
 多くの品種があり桜の開花期がずれるため、長い期間花見ができるのも魅力である。松前の桜の祖と言われる「血脈桜(ちみゃくざくら)」が光善寺にあるので訪ねてみたい。龍雲院の「蝦夷霞桜(エゾカスミザクラ)」、 天神坂門の「夫婦桜(メオトザクラ)」も銘木である。
 夜のライトアップやさくらまつりなども開催されるので、桜開花状況と合わせて現地情報を集めて訪れたい。
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補足情報

*松前城:松前城は松前町の津軽海峡に面する台地上に築かれ、本丸御門と天守海防を重視した城で、約7万m2という大規模な城郭である。慶長年間(1596~1614年)松前氏が福山館を築いたのにはじまり、その後1854(嘉永7・安政元)年に海外からの北方警備のための本格的な城郭が新築された(別掲松前城)。
*桜資料館:桜に関する書籍・絵画・写真・桜の皮を使った工芸品などを展示。
関連リンク 松前町(WEBサイト)
参考文献 松前町(WEBサイト)
北海道(WEBサイト)
『北海道の旅』更科 源蔵 社会思想社
『北海道の歴史散歩』北海道高等学校日本史教育研究会 山川出版社

2024年01月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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