佐井村は、青森県北東部の下北郡にあり、津軽海峡に臨む。村の大部分が恐山山地からなり、平地に乏しく、海岸に集落が点在。耕地は極めて少なく、原田地区と野平盆地にわずかにある程度。下北半島の西側に位置し、北は大間町、東と南はむつ市に接し、津軽海峡を隔てて北海道渡島と相対している。
 国道338号が通る。このほか観光道路も通じる。海上公共交通機関として、青森港からむつ市脇野沢漁港・牛滝漁港・福浦漁港を途中寄港し、佐井漁港までの定期船「ポーラスター」が運航している。佐井港と青森港間には定期船便がある。
 佐井港は江戸時代以前から良港として知られ、下北産のヒバ材の積出し港として明治まで続いた。
 わずかな耕地での米作と肉用牛の飼育、沿岸漁業などが行われる。
 海岸一帯は下北半島国定公園の一部で、仏ヶ浦(国指定名勝・天然記念物)や願掛岩、縫道石山等の自然の他、青森港への定期船が発着する津軽海峡文化館がある。伝統芸能としては「矢越歌舞伎」がある。地歌舞伎の中でも漁村に伝わるものとして有名で、矢越芸能保存会では体験なども行っている。また、福浦地区の福浦の歌舞伎は県無形民俗文化財に指定されている。

観光資源一覧

仏ヶ浦の写真

仏ヶ浦 (青森県 佐井村 )

斧の形をした下北半島の刃の部分、津軽海峡に面した福浦(ふくうら)と牛滝(うしたき)の間約2kmの白い岩の奇岩からなる海岸線である。  名前の由来は、アイヌ語の「ホトケウタ-仏のいる浜」が転訛した結果「仏ヶ浦」と呼ばれるに至ったという説や、「如来の首、十三仏、五百羅漢等の姿が仏像仏具を思わせ、ほとんどが仏の名にちなんでい...

縫道石山(縫道石)の写真

写真提供:佐井村役場

縫道石山(縫道石) (青森県 佐井村 / 青森県 むつ市 )

下北半島北西部のむつ市と佐井村にまたがり、標高626mの名峰のひとつで断崖絶壁の岩山。その特異な岩山の姿から江戸時代には地元で「入道石」と呼ばれていたことが、紀行作家、菅江真澄*の「遊覧記」や、古い「佐井村誌」に記録されている。  標高が高くなく、前衛の山に囲まれているため、周辺の平地から確認するのは難しい。  むつ市...