珠洲市は、石川県北端、能登半島の先端に位置する。市の南西から北東に宝立山、鞍坪岳、山伏山が連なる。急崖が勇壮な日本海に面する外浦と富山湾岸の波穏やかで平地や砂浜が発達し中心市街地が広がる内浦に大別され、2つの対照的な海岸景色は能登半島国定公園に指定されている。輪島市、能登町と接する。国道249号が通じ、半島先端の禄剛崎を経る周遊道もある。
 古代から製塩が行われ、出雲や大陸の渤海との交流もあった。中世には珠洲古陶と称される日用雑器を産した。外浦の大谷は大納言平時忠が配流された地で、墓がある。古来は海上交通の要地で「狼煙」の地名があり、近くの禄剛崎には灯台が立つ。
 米、タバコ、野菜、リンゴ、ウメ、クリなどを産する。漁業も盛んでアジ、イワシ、ブリなどを漁獲する。珪藻土、瓦の工業もある。
 禄剛崎からツバ崎までの外浦は能登半島国定公園域で仁江海岸などの景勝地に富み、木ノ浦は海域公園に指定。国指定重要文化財に白山神社本殿、須須神社の木造男神像(鎌倉時代)、江戸時代の豪農黒丸家住宅、重要有形民俗文化財に揚浜製塩用具、漆掻きおよび加賀・能登の漆工用具、国指定天然記念物に須須神社社叢がある。珠洲温泉と葭ヶ浦温泉の二つの温泉がある。

観光資源一覧

見附島の写真

見附島 (石川県 珠洲市 )

能登半島の珠洲市の南部、鵜飼川河口一帯は、松林越しに内浦の海を望む穏やかな海岸である。その中央部に周囲約300m、高さ28mの大きな岩がそびえ立つ。市内にある式内社三社の一つである加志波良比古(かしはらひこ)神社の神(加志波良比古)が、当地に着いた際に海上よりはじめて見つけた島、また弘法大師が佐渡から能登へ渡った際に最初に...

奥能登の黒瓦の集落群の写真

写真提供:石川県観光連盟

奥能登の黒瓦の集落群 (石川県 珠洲市 / 石川県 輪島市 / 石川県 能登町 / 石川県 穴水町 )

「能登には、黒瓦の屋根と下見板張りの伝統的な住居が多く、統一感のある景観と独特の風情を生み出している。黒瓦は、「能登瓦」とも呼ばれ、材料に能登の水田の土を使い、山の薪を燃料にして、七尾市や珠洲市などの農村地帯で生産されてきた。黒あるいは銀黒の美しい釉薬で覆われた能登瓦は、耐寒性に優れるといわれている 。輪島市の黒島(...