蒲郡市は県中南部にあり、東は豊川市、西は西尾市、幸田町、北は岡崎市に接し、南は三河湾に臨む。
 JR東海道本線が通じ、蒲郡駅を起点に名古屋鉄道蒲郡線が出ている。国道は23号、247号、473号が走り、三ヶ根山・三河湾スカイライン、音羽蒲郡道路(三河湾オレンジロード)などもある。また、国道 23 号蒲郡バイパスが蒲郡インターチェンジまで開通している。
 市域は三河湾の海岸線に沿って東西に長く、平野を取り巻くように山地が分布。山地は、五井山(約 454m)、遠望峰山(約 440m)・御堂山(約 364m)・三ヶ根山(約 325m)などがあり、また、三河湾には竹島・三河大島・ 小島・仏島などの島々がある。背後は幡豆山地に囲まれ、前面の三河湾上に大島、竹島などの島々が散在。県下有数のレクリエーションの場になっている。
 1954年(昭和29)蒲郡、三谷の2町と塩津村が合併して市制施行。昭和30年代に数度の編入をおこない、1963年(昭和38)に西浦町を編入して現在の市域となる。歴史は古く、人が住みはじめたのは約8500年前といわれている。江戸時代には東海道が御油、赤坂を通り、当地域は農漁村だったが、1888年(明治21)東海道本線の蒲郡駅が設置され、1889年(明治22)に新橋―神戸間が全通後、駅前集落として発展した。
 「日本後記」によれば799年(延暦18)頃から織物が行われていたとされ、それが後に三河織物へと成長して伝統産業となった。織物・繊維ロープ工業が発展し、日本一の生産量を誇る。特に形原地区は麻ロープの全国一の産地。新しく海岸を埋め立ててつくった臨海工業地帯には食品、機械、鉄鋼など各種の近代工場が立地しているほか、近年では精密機械工業も伸びている。また、渥美半島と知多半島に囲まれた温暖な気候を生かしたフルーツ栽培がさかんで、特にハウスミカンは日本有数の出荷量を誇る。漁業は湾内、沿岸漁業が主で、形原港は一色港、師崎港とともに県内有数の水揚げ高を誇っている。蒲郡港は三河港の一翼で重要港湾、また臨海工業地帯を擁する国際貿易港である。
 2つの大きな半島に囲われた海辺の観光地で、三河湾国定公園の最大の拠点。約47kmの海岸線沿いには三谷、形原、西浦などの温泉がある。ほかに、竹島の八百富神社社叢は暖地性植物の繁茂地で国指定天然記念物。竹島水族館、生命の海科学館などのほか蒲郡競艇場もある。蒲郡オレンジパークでは、ハウスみかん狩り、いちご狩り、メロン狩り、ぶどう狩り等で年間を通じて体験ができる。三河湾ではあさり採りができる。また、夏は無人島の三河大島で海水浴が楽しめる。

観光資源一覧

八百富神社の写真

八百富神社 (愛知県 蒲郡市 )

JR東海道本線蒲郡駅から徒歩15分。平安時代の1181(養和元)年の創建。三河の国司であった藤原俊成が、江州竹生島から弁財天を勧請した神社。竹島弁天の名で知られ、『三河雀』には、江の島、竹生島、厳島などとともに、日本七弁財天の中にあげられている。祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で、開運、安産、縁結びの神として、古...

三谷祭の写真

三谷祭 (愛知県 蒲郡市 )

1954(昭和29)年の蒲郡市になる合併前の三谷町の六つの地区が結束して、それぞれが特色を出す三谷の町あげての祭礼である。10月第3または第4の土・日曜日に開催される。  祭りは1696(元禄9)年、三谷村の庄屋左衛門の夢枕に八劔神社の八劔(やつるぎ)大明神が立ち、東1.3kmにある若宮神社に渡りたいと告げたのを契機に始まり、庄屋の尽...