大船渡市は、岩手県東南端に位置する。大船渡湾に注ぐ盛川の河口に平坦地が開けて市街地は西部湾岸に沿って長く延びる。外洋に面した海岸線は典型的なリアス式海岸を成しており、その凹部には漁村集落が散在している。北は釜石市、北西は住田町、西は陸前高田市と接している。また、南東は大船渡湾を、東は吉浜湾、越喜来湾、綾里湾を抱いて太平洋に面する。
 JR大船渡線(盛―気仙沼間はBRT運行)、三陸鉄道リアス線、国道45号、107号、三陸縦貫自動車道が通じる。
 2001(平成13)年に三陸町を編入後、新多目的国際ターミナル港湾整備、大船渡港と韓国・釜山港を結ぶ県内初の国際貿易コンテナ定期航路開設等、交通、物流基盤の強化が図られ、県内最大の漁業生産量を誇る水産業や窯業などの地場産業の振興等と合わせて三陸沿岸地域の拠点都市として発展。
 盛川沿岸の埋立地には太平洋セメント大船渡工場が立地する。大船渡市魚市場は周辺及び沖合の三陸漁場で操業する漁船の水揚基地となっており、サンマ、サケ、イサダ等が水揚げされる。この魚市場を中心にワカメ、アワビ等の水産加工業も盛んで、冷凍、缶詰工場などが立地している。
 三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)の南の玄関口でもあり、碁石海岸(国指定名勝・天然記念物)、珊琥島(国指定名勝)などの景勝地、ツツジやシャクナゲの群生地として知られる五葉山県立自然公園、縄文時代の生活文化をいまに伝える蛸ノ浦貝塚、下船渡貝塚、大洞貝塚(ともに国指定史跡)、日本最古の地層といわれる樋口沢ゴトランド紀化石産地(国指定天然記念物)などがある。

観光資源一覧

碁石海岸・碁石岬の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

碁石海岸・碁石岬 (岩手県 大船渡市 )

碁石海岸は、三陸自動車道大船渡碁石海岸ICから車で約15分、大船渡湾の南に突き出た末崎半島の東南部の先端約6kmの海岸線。海岸の東南に位置する「碁石浜」に、波で磨かれた黒い玉砂利が敷き詰められていることが名前の由来だというのが一説。黒い玉砂利は、海岸付近にある、泥からできた岩石(黒色頁岩)が、波によって崩れ、洗われ、丸石化...

三陸鉄道の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

三陸鉄道 (岩手県 宮古市 / 岩手県 久慈市 / 岩手県 大船渡市 )

岩手県の三陸海岸を縦貫する鉄道路線(リアス線)。第三セクター方式の鉄道会社。通称は三鉄(さんてつ)。  1896(明治29)年の三陸地震の際に急峻な地形が支援物資の輸送を阻んだことを踏まえ三陸沿岸を結ぶ鉄道が構想され、復興策として建設された。1928(昭和3)年11月22日に仙台 - 石巻間(宮城電気鉄道、現在の仙石線)が開通し、197...