多治見市は、岐阜県南東部、愛知県との県境に位置する。北は可児市、東は土岐市、南は愛知県瀬戸市、南西は愛知県春日井市、西は愛知県の小牧市、犬山市に接する。
 JR中央本線、太多線、中央自動車道、東海環状自動車道、国道19号、248号が縦横に走る。今後はリニア中央新幹線(令和9年開業予定)による経済等への波及効果も期待される。
 中央部を庄内川水系土岐川が流れ、四方を山々に囲まれた盆地地形を形成。土岐川へは笠原川、生田川、大原川、市之倉川が流入し、市北部には木曽川水系の姫川が流れる。丘陵部は大規模開発によって形成された住宅団地があり、北西部は農業地域となっている。古くからの市街地は、多治見盆地を西流する土岐川の南岸に開け、JR中央本線開通後は駅前を中心に北岸にも広がった。東濃陶磁器生産地帯の中心都市。
 1940年(昭和15)市制施行。変遷を経て、2006年(平成18)笠原町を編入して現在の市域となる。良質な陶土が採れ、1300年以上の歴史を持つ焼き物の産地として知られる。
 主産業は陶磁器生産で、当市で生産されるおもな陶磁器は、タイルおよびモザイクタイルなど。北東部の土岐川北岸地区においては輸出向けに生産されるものが多い。南東部の滝呂などではコーヒー碗(わん)・皿などの洋飲食器、南部の市之倉では盃、割烹和食器など、北東部の高田では徳利、土瓶などが有名。大規模な陶磁器流通団地がある。また、近年では企業誘致により新規産業振興地を形成している。
 虎渓山永保寺の開山堂・観音堂は禅宗建築の典型で国宝。このほか、古虎渓の景勝地、岐阜県陶磁資料館などがある。

観光資源一覧

永保寺の写真

写真提供:(一社)岐阜県観光連盟

永保寺 (岐阜県 多治見市 )

JR中央本線・太多線多治見駅の北東、土岐川に面した虎渓山(こけいざん)*北麓の緑に囲まれた古刹。鎌倉時代1313(正和2)年、夢窓疎石(むそうそせき)*が元翁本元(げんおうほうげん)*を伴い諸国行脚の途中、中国江西省の廬山(ろざん)の渓谷・虎渓*に似ていると、この地の自然風景を愛でて庵を建てた。翌年に本元を開基として寺を開...

美濃焼の写真

写真提供:(一社)岐阜県観光連盟

美濃焼 (岐阜県 多治見市 / 岐阜県 土岐市 / 岐阜県 瑞浪市 / 岐阜県 可児市 )

美濃の南東部(主に多治見市・土岐市・瑞浪市・可児市)で焼かれたやきものを「美濃焼」という。この地域は窯業に適した地形と、原料の陶土や燃料の薪に恵まれていた。日本六古窯(ろっこよう)*の愛知県瀬戸市とは隣接した地域で、地中の粘土層は同質である。  奈良時代には、「須恵器(すえき)」という釉薬(うわぐすり)を施さない灰...