栗原市は、県北部に位置し、東は登米市、南から西は大崎市、北は岩手県一関市、秋田県東成瀬村と湯沢市に接する。
 東北新幹線、国道4号線、398号線、457号線の他、東北縦貫自動車道の築館インターチェンジ及び若柳金成イ ンターチェンジが整備されている。
 仙北平野中部から栗駒山南東麓にかけて広がり、迫川、二迫川、三迫川、小山田川など多くの川が奥羽山脈からゆるやかな台地へと流れて河岸段丘や扇状地をつくる。北部には標高約1,626mの栗駒山がそびえる。登米市との境に伊豆沼・内沼を有している。
 2005年(平成17)9町 1村が合併して市制施行。旧石器時代の遺跡が各所に残る。奈良時代には中央集権が進出して伊治城が置かれたほか、中世には豪族の居館が数多く築かれ、今でも居館跡の調査が行われている。近世藩政期になると奥州街道が整備され、高清水・築館・宮野・沢辺・金成・有壁などに宿駅が置かれた。特に有壁には本陣が置かれ、現在でも当時の様子がうかがえる。また、花山には伊達藩と久保田藩を結ぶ街道に関所が置かれ、「仙台藩寒湯番所跡」が残る。旧宿場町では江戸時代から続いている互市が開かれている。
 古くから穀倉地帯として、仙台藩の献上米にもなっていた米の産地で、米作のほか、野菜栽培、畜産も行なわれる。蔵元が複数ある地酒の里であり、レンコン、イチゴ、ダ イコン、カボチャ、自然薯、イワナなどを特産する。この他、高度電子機械、自動車、医療関連のものづくり企業や食品関連等のグローバル企業の主要工場、リサイクル産業、家内工業などがある。
 南東部の登米市との境界にある内沼、伊豆沼はハクチョウやガンカモ類の渡来地(国の天然記念物・ラムサール条約登録湿地)。栗駒山麓一体は栗駒国定公園に属し,栗駒五湯と呼ばれる温泉地もある。この他、旧奥州街道、近代化産業遺産やイグネに囲まれた屋敷・長屋門やほんにょなどの農村景観、餅文化などの農業から育まれた特徴的な文化を体感できる。この他、伝統芸能である小迫の延年(国の重要無形民俗文化財)や江戸時代から続く山車まつり、鶏舞、神楽、八ツ鹿踊り等が伝わる。

観光資源一覧

栗駒山の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

栗駒山 (岩手県 一関市 / 宮城県 栗原市 / 秋田県 東成瀬村 )

奥羽山脈のほぼ中央に位置し、岩手・宮城・秋田の3県にまたがる1,626mの山で、岩手県側では須川(すかわ)岳、秋田県側では大日(だいにち)岳とも呼んでいる*。那須火山帯*に属し、複雑な山容の休火山で、かつては八万地獄、毒気地獄などと呼ばれ、この山に入った者は生きて帰ることがないといわれた。現在でも北斜面中腹にはたくさんの硫...

伊豆沼・内沼・蕪栗沼・化女沼の渡り鳥の写真

伊豆沼・内沼・蕪栗沼・化女沼の渡り鳥 (宮城県 栗原市 / 宮城県 登米市 / 宮城県 大崎市 )

伊豆沼・内沼は、栗原市と登米市にまたがる県内最大の淡水湖沼で、毎年冬には2,000羽から3,000羽のオオハクチョウが飛来する日本一の越冬地である。マガンも伊豆沼・内沼を代表する冬の鳥で、毎年数万羽のマガンが越冬のため飛来する。  伊豆沼・内沼は1985(昭和60)年9月に日本で2番目のラムサール条約湿地に登録された。その後、2005年...