深谷市は、埼玉県の北西部に位置し、北は群馬県伊勢崎市、太田市に接する。北部は利根川水系の低地で、南部は秩父山地から流れ出た荒川が扇状台地を形成する平坦な地形である。
 中心市街は中山道の宿場町、市場町として発達した。小山川沿岸地域では良質の粘土が分布するので、瓦と土管の生産が江戸時代より盛んである。煉瓦製造も歴史があり、「旧煉瓦製造施設」が国の重要文化財に指定され、「日本煉瓦史料館」もある。
 1962(昭和37)年の工業団地の造成とともに、多くの工場が進出し、県下有数の工業都市になった。
 一方で、県内でも農業粗生産額は非常に高く、特に特産の深谷ネギのほかキュウリ、ホウレンソウ、花卉の栽培が盛んである。
 実業家渋沢栄一の出身地で、「渋沢栄一記念館」がある。

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深谷の煉瓦とレンガ建物群の写真

写真提供:深谷市教育委員会

深谷の煉瓦とレンガ建物群 (埼玉県 深谷市 )

渋沢栄一ほか4名により、1887(明治20)年、日本煉瓦製造株式会社は設立された。渋沢栄一の郷里に近い現在の深谷市上敷免に工場が設立されることになり、ドイツ人技師チーゼを招いて1888(明治21)年に操業を開始。この工場で生産されたレンガは、東京駅、赤坂離宮、東京大学などに使われた。 チーゼの居宅兼事務所として建てられた木造洋館...