南大隅町は、大隅半島の南部にあり、北は錦江町、肝付町と接する。九州本島最南端の佐多岬を有している。南東側は大隅海峡、西側は鹿児島湾(錦江湾)に面しており、三方を海に囲まれた半島の先端の町である。
 東部から半島の中央部にかけて肝属山地が広がり、平地は錦江湾側に多少残されている。町域の約8割が山林で、北部の雄川下流の沖積地など、西側にわずかに平地がある。その西海岸沿いに国道269号が通る。
 柑橘類ほか果樹、スナップエンドウなどの野菜、水産加工品などが特産品で、畜産も盛んである。
 半島南端の佐多岬から雄川の河口にいたる海岸一帯は霧島錦江湾国立公園、南東の海岸は大隅南部県立自然公園に含まれる。佐多岬最南端の大輪島に建つ佐多岬灯台は、1866(慶応2)年に設置が決まった洋式灯台のひとつで、イギリス人技師ブラントンの設計により、1871(明治4)年に完成した。
 高温多湿で亜熱帯性植物が自生。辺田地区二川(ふたがわ)のヘゴ北限自生地、佐多岬一帯のソテツ自生地、肝付町・錦江町との境にそびえる稲尾岳の照葉樹林は、いずれも国の天然記念物に指定されている。
 佐多旧薬園は、九州本土最南端に所在する植物園跡で、薩摩藩の薬園として熱帯性植物を栽培した貴重な遺跡として、1932(昭和7)年に国の史跡に指定されている。

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佐多岬の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

佐多岬 (鹿児島県 南大隅町 )

大隅半島の先端、北緯31度線に位置する本土最南端の岬。霧島錦江湾国立公園内にあり、佐多岬公園入口から亜熱帯植物の繁茂する道を抜け、御崎神社を経て、展望所までは800mほど歩く。展望所からは岬の先に広がる、太平洋、東シナ海、錦江湾の水平線の大パノラマが望める。晴天時には開聞岳や種子島などの島々も見える。  岬の南端から50m...