西表島の節祭(西表島)いりおもてじまのしち

節とは年の節目のことで、年の終わりと始まりを祝い、健康や繁栄を祈る儀式である。西表島の祖納集落で行われる節祭は、旧暦10月前後の己亥(つちのとい)から3日間行われる。初日はトゥシヌユー(年の夜=大晦日)、2日目はユークイ(世乞い)、3日目はウイヌカー(水恩儀式)という。
 前泊の浜で芸能が奉納されるのは2日目。旗頭を先頭に、弥勒神(ミルク)と女性たちが行列をつくって浜に向かう。浜では男たちによる船漕ぎ競争があり、女たちは浜でドラや太鼓を叩いて招き手を繰り返し、幸を呼び込む。奉納芸能では、頭から黒い衣をかぶり全身黒づくめのフダチィミと呼ばれる女性が2人現われ、他の女性たちとともに踊りを奉納する。
 西表島では干立(ほしだて)、船浮でも節祭が行われる。
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みどころ

黄色の衣装に身を包んだ弥勒(ミルク)は五穀豊穣、子孫繁栄の象徴。この弥勒の行列や、全身黒づくめのフダチィミが女性たちを従えたアンガー行列が、海をバックに前泊の浜を歩くさまは、まるで異世界を感じさせるほど独特だ。一方で男たちによる船漕ぎ競漕には、幸せを海から漕ぎ寄せようとする迫力がある。いつもは静かな集落が沸きかえる、新年を迎える大切な行事なのだ。
関連リンク 竹富町(WEBサイト)
参考文献 竹富町(WEBサイト)
『おきなわの祭り』沖縄タイムス社、1991年

2020年04月現在

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