奥武島の畳石(奥武島)おうじまのたたみいし

奥武島の南岸に広がる国指定天然記念物の奇岩群。火山活動で噴出した安山岩質の溶岩が、ゆっくり冷えて岩石になる時にできた割れ目が亀甲模様になっている。直径1~2mの五・六角形の石の数は、砂におおわれたものを含めて1,000個以上に及ぶといわれ、南北50m、長さ250mにわたって広がり、干潮時に現れる。これらは柱状節理の断面が露出したもので、表面は波の浸食でほとんど平坦になっている。この規模で亀甲のように並んでいるのは、世界的にも珍しい。畳を敷き詰めたような景観から、地元では古くから畳石と呼ばれている。久米島とは海中道路で結ばれている。
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みどころ

駐車場から海岸に降りていくにしたがって、畳石の不思議な光景が見えてくる。近づくにつれ、亀甲模様ひとつずつの大きさに驚き、ダイナミックな景観に圧倒される。柱状節理という名の自然の作り出した芸術作品であり、地下は柱が束になった構造となっている。これほど大規模で、岩面が平らな柱状節理は非常に珍しい。通常の岩のような冷たさはなく、触ったり座ったり素足で立ったりすると、やわらかさ、あたたかみを感じる。
 畳石が広がる海岸は、久米島沖の海洋深層水を利用した温浴施設「バーデハウス久米島」の前にあり、施設利用者は施設と畳石を自由に行き来できる。海洋深層水プールにつかったり、畳石で心地よい風に吹かれたりしてのんびり過ごせる。