由布島の水牛(由布島)ゆぶじまのすいぎゅう

西表島の約400m東にある由布島。この2つの島の間は、干潮時には歩いて渡れるほど海水が引く。そのため、周囲約2km、島全体が亜熱帯の植物園になっている由布島へ渡る手段として、水牛車が使われている。
 台湾から移り住んだ人々によって沖縄に水牛が導入されたのは、1930年代。農耕に用いる種で、体が大きく、胴は短く、筋骨頑丈。強健で粗食に耐え、水浴を好むという性質、また沖縄の高温多湿の気候によく適応し、扱いやすかったこともあり、西表島や由布島では農耕や運搬などに広く利用されてきた。水牛は由布島で飼育・管理されている。
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みどころ

西表島の大原港から、由布島行きの水牛車乗り場がある美原の「旅人の駅 由布島」まで約12km。西表島と由布島の間の移動は、天候や水牛の気分によって多少変わるが、片道約15分。ガイドの唄三線の音色に耳を傾け、荷車の上から海や島影を眺めながら、ゆっくりと海を渡るのは心地いい。
 1969(昭和44)年の台風により大きな被害を受け、由布島の住民のほとんどが西表島に移住したなかで、西表正治ご夫妻が残り、「南国の楽園を作ろう」と夢見て、ヤシの木や亜熱帯の花々を植え続け、今では一年を通して色鮮やかな花々が咲き誇る島となった由布島。水牛車で渡るという沖縄ならではの移動手段も魅力的で、人気の観光コースになっている。潮風を感じながら水牛車に揺られる、のどかな時間を体験したい。
関連リンク 亜熱帯植物楽園 由布島(WEBサイト)
参考文献 亜熱帯植物楽園 由布島(WEBサイト)
竹富町観光協会(WEBサイト)
『沖縄大百科事典』沖縄タイムス社、1983年

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。