田中一村記念美術館たなかいっそんきねんびじゅつかん

1977(昭和52)年に奄美大島で69年の生涯を終えた日本画家・田中一村の作品を常設展示する美術館。奄美大島に19年間住むなかで完成させた彼の代表作ともいえる作品「不喰芋と蘇鐵」(くわずいもとそてつ)、「初夏の海に赤翡翠」(しょかのうみにあかしょうびん)、「海老と熱帯魚」などをはじめ、幼少期の南画に始まる彼の生涯にわたる一連の作品が展示され、一村の人生をたどることができる。年4回展示替えがある。
 現奄美空港から車で約5分、旧奄美空港跡地にできた「鹿児島県奄美パーク」の一角にあり、美術館の建物は奄美地方にあった高倉をイメージしている。
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みどころ

豊かな才能を擁しつつも、中央画壇と決別し、孤高の行き方を貫いた田中一村。彼は島で大島紬の工場で数年間働くと、貯めたお金で数年間、絵だけに没頭する生活を続け、ひたすらに南島の自然と向き合い、身を削るようにして絵筆を握った。だが、彼の絵が生前、評価されることはなく、その作品が世に知られたのは、亡くなってから2年後のことだった。そういった彼の生き様に魅かれるファンも多い。何よりも島の自然の中で彼の作品を見ることで、田中一村の世界をより身近に感じられる点が評価できる。作品は海外でも評価が高い。
関連リンク 田中一村記念美術館(WEBサイト)
参考文献 田中一村記念美術館(WEBサイト)
南日本新聞社編集『日本のゴーギャン 田中一村伝』小学館文庫、1999年5月

2020年09月現在

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