出水麓の町並みいずみふもとのまちなみ

鹿児島の最北部、肥後藩との藩境にあった出水麓*は、重要な防衛基地のひとつ。薩摩藩の「外城」として藩内で最初に築かれ、規模も最大だった。出水麓には、3,000人~5,000人の武士たちが暮らし、整然と区画された武家屋敷が立ち並んでいた。碁盤の目のような町割りや、川石を積み上げた石垣、緑の生垣など、今も400年前と変わらぬ風景を残している。
 税所邸(さいしょてい)と竹添邸(たけぞえてい)は見学可能(出水麓歴史館の入館料で見学できる)。案内人が常駐し、丁寧に屋敷内を案内してくれる。「出水麓歴史館」では、当時の歴史文化をわかりやすく展示パネルなどで紹介している。
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みどころ

公開されている武家屋敷の税所邸や竹添邸を中心に、東京ドーム9個分と言われている武家屋敷群。ゆっくり歩きながらの散策もいいが、「いずみ観光牛車」でめぐるのもおすすめだ。武家屋敷の歴史やみどころなどをガイドしてくれる。
 公開されている竹添邸は、NHKの大河ドラマ「篤姫」のロケ地にもなった。出水麓を歩いていると、目の前の石垣から薩摩武士がふっと現れそうな雰囲気だ。
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補足情報

*麓:山城とその麓に広がる武家屋敷群全体を指す言葉で、武士の拠点を地方に点在させた薩摩藩独自の制度によって生まれた。