野母崎の水仙の丘のもざきのすいせんのおか

野母崎は長崎半島の先端を占め、西端部の野母、南部の脇岬、その対岸の樺島*が主な集落。一本釣り・定置網など漁業が主だが、ミカン・ビワの果樹栽培も盛ん。海岸風景が美しく、長崎市近郊の観光地として人気がある。この地域では野母浦祭り*が毎年8月13日に開催されている。祭りは約1300年の歴史があるといわれ、漁業の信仰と海上の安全を祈願して行われている。
 野母崎は、気候的特性を活かした冬期開花の花栽培が行われており、なかでもスイセン*は風土に適しているために昔から野山や田畑の畔などにも自生していた。旧野母崎町では、1986(昭和61)年度に「水仙の里づくり」を提唱し、栽培面積の拡大、栽培技術の研究に努める一方、毎年「水仙まつり」を実施するなど町内外にピーアールしてきた。水仙の丘は、1988(昭和63)年から行われた「ふるさと創生事業」の資金の一部を活用し、旧野母崎町が作ってきたものである。
 現在は長崎のもざき恐竜パーク*内にあり北側展望所、東側展望所、西側展望所からなる3つの小山に約1000万球のスイセンを植裁している公園である。
 JR長崎駅から約25km、駅南口または新地中華街からバスで「樺島」行に乗車「恐竜パーク前」下車、徒歩約5分で到達する。
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みどころ

水仙の丘の北側展望所からは田の子島や軍艦島を一望でき、別の展望台からは野母漁港の町並みを見渡せる。
毎年12月下旬から1月中旬にかけて3つの丘の斜面一面にスイセンの花が咲き見ごろで壮観である。水仙まつりも行われており、毎年1月上旬から1月下旬にかけて開催され、約1,000万本の水仙が見事に咲き誇る。
 ベネックス恐竜博物館は開放的な空間に大型全身骨格や貴重な実物化石、標本が展示されている。
 周辺には野母崎の海でとれる魚介類の土産物屋や飲食店もありスイセンなどとあわせて楽しめる。
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補足情報

*樺島:こんもりした小島で先端に樺島燈台がある。また、集落内には天然記念物の大うなぎが住む古井戸があったが現在は井戸内に大うなぎは生息していない。脇岬と橋で結ばれている。
*野母浦祭り:野母盆踊りともいわれ、伝統的な舞や踊りが行われる。また、これとは別に8月13~16日に野母・脇岬・樺島地区でそれぞれ1日ずつペーロン大会が行われて賑わう。
*スイセン:原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種は30種類ほど知られている。日本においては、「日本水仙」が古くに中国を経由して渡来したといわれている。スイセンは日本の気候と相性が良いので多くの地域で見られている。
*長崎のもざき恐竜パーク:2021(令和2)年10月に野母崎にオープンしており、ベネックス恐竜博物館をメインとした複合施設。
無料で遊べるこども広場・軍艦島資料館・直売所・ガオガオなど見所たくさんで親子で遊べる施設となっている。この一帯は恐竜パークができる以前は水仙の里公園と呼ばれていた。