安芸市土居廓中の町並みあきしどいかちゅうのまちなみ

安芸平野のほぼ中央、安芸川の西岸に近世に形成された旧武家町が町割り、面影をとどめている。東西約410m、南北約360m、約9.2ha。2012(平成24)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。藩政期は武家のみが住み、碁盤目の町割、路地幅、江戸末期から昭和戦前の家屋、武家町らしい生垣、練塀*などの歴史的風致が面的に現存する。戦国期の安芸氏の城跡に江戸時代になって土佐藩家老の五藤家が屋敷を構えた後、その麓に武家町がつくられたもの。野村家住宅は2008(平成20)年に市に寄贈され、内部観覧可の武家屋敷として一般公開しており、平成24年7月、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された。
#

みどころ

自動車の使用が主流となる前のヒューマンスケールな町が残っている。近世の空間スケールを地区内をゆっくり歩いて静かに楽しみたい。のんびり散策しても1時間はかからない。戸々が受け継いでいる門構え、整えられた生垣、練り土と石や瓦でつくられ甍の乗った塀、垣間見える庭木には春ならば花々が揺れる。家々の多くは人々が暮らしていて、その気配があちこちに見出されるのも楽しい。安芸城址まわりには公園水路のようなスケールの堀が巡らされている(城下町の殿様の城のように仰々しくない)。野村家住宅では屋敷内部を観覧できる。切妻造桟瓦葺き木造造り平屋建ての主屋に、門・便所風呂棟・納屋・薪置き場・井戸・塀など江戸末期の武家屋敷の形式を残す。足休めにも良い。
#

補足情報

*練塀:瓦と泥を練った土を交互に積み上げ瓦屋根が乗っている塀。土居廓中の地区内には来客用の駐車場がなく、乗り入れるような道幅でもない。安芸市により散策時の駐車場は野良時計近くの溝ノ辺公園が推奨されている。
*安芸城址に安芸市立歴史民俗資料館、廓中地区の南には明治期に作られた畠中家の野良時計(国登録文化財)私邸につき外からの見物のみ。ほか、豪農の屋敷(森澤家)が残っている。
関連リンク 安芸市(WEBサイト)
参考文献 安芸市(WEBサイト)
文化庁(WEBサイト)
動画で見るニッポン(NHK)(WEBサイト)

2023年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。