安芸市は、県東部に位置し、南は土佐湾に臨む。香南市、香美市、安田町、馬路村、芸西村、徳島県那賀町と接する。
 市内中央部に安芸川・伊尾木川が流れ、その流域に安芸平野が広がっている。土佐湾沿いに国道55号(土佐街道)、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)が通じる。
 安芸平野は小規模だが条里地割り遺構も明瞭で、10世紀に作られた「和名抄」にみられる玉造・黒鳥の集落も現存。古代から農業地帯として開けていた。戦国時代には土居に居城する安芸氏の拠点で砂丘上に港市町が発達。近代以降も官公署、学校、商店などを集積する街区が東西に展開し、安芸郡の中心地として機能した。
 北部の山間部は国有林、民有林も多く、林業が盛ん。平野は第二次世界大戦前から水稲二期作、蔬菜の促成栽培も盛んで、現在もナス、ピーマンなどの施設園芸が行われる。瓦、陶器(内原野焼)、酒などの伝統産業もある。
 井ノ口に岩崎弥太郎の生家が保存されている他、童謡作曲家弘田龍太郎の出身地としても知られる。伊尾木洞のシダ群落は国の天然記念物。土居には近世の武家屋敷景観の残存もみられ、土居廓中は国の伝統的建造物群保存地区に選定されている。

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安芸市土居廓中の町並みの写真

写真提供:安芸市

安芸市土居廓中の町並み (高知県 安芸市 )

安芸平野のほぼ中央、安芸川の西岸に近世に形成された旧武家町が町割り、面影をとどめている。東西約410m、南北約360m、約9.2ha。2012(平成24)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。藩政期は武家のみが住み、碁盤目の町割、路地幅、江戸末期から昭和戦前の家屋、武家町らしい生垣、練塀*などの歴史的風致が面的に現存する。戦国期の...