岩国城・吉香公園
JR山陽本線岩国駅から西に約5km、錦帯橋を渡った錦川西岸に吉香公園はある。岩国を支配した吉川氏*1の居館跡はすでに明治期に公園化されていたが、その後、同公園内にあった岩国高校が1968(昭和43)年に移転したため、これも合わせて都市公園とした。
園内には、錦雲閣*2、岩国徴古館*3、花菖蒲園、旧目加田家住宅*4、香川家長屋門、柏原美術館*5、ロープウェー山麓駅、吉川家墓所*6などが点在しており、中央部には大噴水もある。
吉香公園の最奥の山麓駅からロープウェーで山頂駅まで約3分、そこから300mほど北東の城山山頂部に4層の桃山風南蛮造の天守閣がそびえているのが、岩国城(入館有料)である。同城は、1608(慶長13)年、吉川広家によって築かれたものの、1615(元和元)年、徳川幕府の一国一城令により、完成後わずか7年で取り壊された。現在の天守閣は本来の天守閣跡より市内が眺望できる南側へ50mほど位置を変えて1962(昭和37)年に再建されたもの。4階の展望台からは、錦川の清流、錦帯橋、岩国市街はもとより、瀬戸内海の島影も望める。かつての天守閣跡には、高さ5.4mほどの石垣が遺されているほか、山頂付近には、井戸跡、土塁、石垣など遺構が点在している。
園内には、錦雲閣*2、岩国徴古館*3、花菖蒲園、旧目加田家住宅*4、香川家長屋門、柏原美術館*5、ロープウェー山麓駅、吉川家墓所*6などが点在しており、中央部には大噴水もある。
吉香公園の最奥の山麓駅からロープウェーで山頂駅まで約3分、そこから300mほど北東の城山山頂部に4層の桃山風南蛮造の天守閣がそびえているのが、岩国城(入館有料)である。同城は、1608(慶長13)年、吉川広家によって築かれたものの、1615(元和元)年、徳川幕府の一国一城令により、完成後わずか7年で取り壊された。現在の天守閣は本来の天守閣跡より市内が眺望できる南側へ50mほど位置を変えて1962(昭和37)年に再建されたもの。4階の展望台からは、錦川の清流、錦帯橋、岩国市街はもとより、瀬戸内海の島影も望める。かつての天守閣跡には、高さ5.4mほどの石垣が遺されているほか、山頂付近には、井戸跡、土塁、石垣など遺構が点在している。

みどころ
まず、ロープウェーで岩国城跡にある城山の山頂部に登ることをお勧めする。あらたに建てられた模造天守閣であるが、眼下に吉香公園が見え、公園の回り方を検討できる。その先には錦川があり、錦帯橋が見通すことができ、タイミングがよければ錦川清流線の2両編成の列車が錦川の橋梁を渡るのを遠望できる。もちろん、岩国市街、瀬戸内海の眺望も素晴らしい。さらにこの山頂部の山城跡には土塁、石垣も遺り、往時を垣間見ることができる。
ロープウェーで山麓に降りたら、押さえたいのは、吉香神社と吉川史料館だろう。吉川史料館は、規模は小さいものの、吉川家の書簡などが展示されており、丁寧な現代文の訳が付いているなど、見やすく、当時の生々しいやりとりがよく理解できる。そのあとは、園内の史跡などゆったりとめぐりながら散策をすることをお勧めしたい。中央部にある大噴水もなかなかの見応えがある。
ロープウェーで山麓に降りたら、押さえたいのは、吉香神社と吉川史料館だろう。吉川史料館は、規模は小さいものの、吉川家の書簡などが展示されており、丁寧な現代文の訳が付いているなど、見やすく、当時の生々しいやりとりがよく理解できる。そのあとは、園内の史跡などゆったりとめぐりながら散策をすることをお勧めしたい。中央部にある大噴水もなかなかの見応えがある。

補足情報
*1 吉川氏:周防国岩国藩の藩主。藤原南家につながりがあるとされ、12世紀後半、始祖経義が駿河の入江吉川(静岡県静岡市清水区)に居を構えたのが始まりと伝わる。4代経光が承久の乱(1221年)で戦功があり、安芸の大朝之庄(広島県北広島町)の地頭職に就いた。13代元経に至り、毛利氏と縁戚関係を結び、15代目に毛利元就の次男元春を養子に迎え、毛利宗家を支えた。豊臣政権下では中国地方で14万石を拝領したが、関ヶ原の戦いに敗れた毛利家の防長2ヶ国への減封のあおりを受け、周防玖珂郡・大島郡の一部3万石(のちに実質6万石)とされ、初代藩主広家は本拠地を岩国とし岩国城を築き、明治維新まで支配した。なお、錦帯橋を造ったのは、3代藩主広嘉である。
*2 錦雲閣:1885(明治18)年、吉川家歴代を祀る吉香神社が移転し、その絵馬堂として建てられた。入館無料。
*3 岩国徴古館:1945(昭和20)年に開館した市立博物館。吉川家関連文書、歴史資料、美術工芸品などの他に、錦帯橋関連では1950年 (昭和25)年に台風で流失した錦帯橋の欄干や模型などが常設展示。企画展も行われる。入館無料。
*4 旧目加田家住宅:国指定の重要文化財。江戸後期の建築で岩国藩士の住宅。入母屋造。簡素であるが、本格な武家住宅で保存状態もよい。庭内は自由見学。
*5 柏原美術館:武家の伝統・文化に関する展示。刀、甲冑などの武具、武家の生活用具、美術品を収蔵し順次展示している。特別展も開催している。入館有料。2020年に岩国美術館より名称変更。
*6 吉川家墓所:公園の西側にあり、国に入府した吉川家17代広家(岩国藩初代藩主)から28代経幹(岩国藩12代藩主)までの当主及びその一族の墓所である。木立と土塀に囲まれている。
*2 錦雲閣:1885(明治18)年、吉川家歴代を祀る吉香神社が移転し、その絵馬堂として建てられた。入館無料。
*3 岩国徴古館:1945(昭和20)年に開館した市立博物館。吉川家関連文書、歴史資料、美術工芸品などの他に、錦帯橋関連では1950年 (昭和25)年に台風で流失した錦帯橋の欄干や模型などが常設展示。企画展も行われる。入館無料。
*4 旧目加田家住宅:国指定の重要文化財。江戸後期の建築で岩国藩士の住宅。入母屋造。簡素であるが、本格な武家住宅で保存状態もよい。庭内は自由見学。
*5 柏原美術館:武家の伝統・文化に関する展示。刀、甲冑などの武具、武家の生活用具、美術品を収蔵し順次展示している。特別展も開催している。入館有料。2020年に岩国美術館より名称変更。
*6 吉川家墓所:公園の西側にあり、国に入府した吉川家17代広家(岩国藩初代藩主)から28代経幹(岩国藩12代藩主)までの当主及びその一族の墓所である。木立と土塀に囲まれている。
関連リンク | 岩国市 観光振興課(WEBサイト) |
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参考文献 |
岩国市 観光振興課(WEBサイト) 吉川史料館(WEBサイト) 文化庁「国指定文化財等データベース」 旧目加田家住宅(WEBサイト) 柏原美術館(WEBサイト) 山口県HP「山口県の文化財 岩国藩主吉川家墓所」(WEBサイト) |
2025年03月現在
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