屏風岩びょうぶいわ

本土と島後(隠岐の島町)の玄関口である西郷港から北へ7km、車で中谷駐車場の登山口まで60分、そこから屏風岩展望所までは徒歩で25分。
 島後島の北東部で、今から550万年ほど前に大規模な火砕流を噴出するような火山活動が起きた。その時、噴出したものはトカゲ岩*を中心にして、南北6km、東西4.3kmにおよぶ範囲に分布していて、葛尾(つづらお)層と呼ばれている。屏風岩は高温の流紋岩質火砕流堆積物が固まる時に、柱状の割れ目(柱状節理)が発達し、この割れ目に沿って崩落したために急崖となり、それが屏風のように見えることから名付けられた。隠岐ユネスコ世界ジオパークを構成するひとつの要因である。
 駐車場からの遊歩道には緑が生い茂っている。階段状の坂を登っていくとトカゲ岩展望地点があり、岩肌を巨大なトカゲが登っていくような姿を見ることができる。さらに杉の天然林の中を登っていくと、屏風岩展望台があり、目の前に屹立する屏風岩を見ることができる。
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みどころ

屏風岩展望台まではトレッキングコースがあり、その登山途中にはトカゲ岩展望所やオキサンショウウオの生息地などにも立ち寄れる。また、隠岐片麻岩*などの珍しい地質を見ることができる。これらと同様の性質の岩石は、日本国内だけではなく大陸でも見られることから、隠岐の地質は日本列島がかつて大陸と繋がっていたことを物語っている。
 屏風岩展望台からは柱状節理の美しい岩壁、屏風岩がまるで立ち塞がるように見える。展望台は三方が断崖となっており、足がすくんでしまうほどの迫力がある。
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補足情報

*トカゲ岩:全長26m。粗面岩マグマが流紋岩質火山砕屑岩に貫入したもので、岩脈と呼ばれるもの。この岩脈はまわりの岩石より硬く風化しにくいために飛び出しており、その姿がちょうどトカゲが岩をよじ登っている姿に似ていることから名付けられた。
*隠岐片麻岩:国内ではとくに珍しい地質で、日本の土台となっている古い岩盤が陸上に現れている部分。2億5千万年前、アジア大陸東祿で砂岩や泥岩が地下深くへ沈み込んだことで高い熱と圧力を受けて形成された変成岩。