瀞峡どろきょう

新宮市から北西へ約30km、和歌山・三重・奈良の3県にまたがる新宮川の支流・北山川の峡谷の総称が瀞峡である。下流から下瀞・上瀞・奥瀞と分かれており、熊野川町玉置口から田戸までの1.2kmが下瀞で、瀞八丁と呼ばれる。さらにその上流、約2kmの間を上瀞、さらにその上流の小松から七色までの約28kmを奥瀞という。瀞峡で見られる岩石は過去の(または約1500万年前紀伊半島で起こった)火山活動の熱の影響によって硬くなっている。その硬くなった岩石が浸食されることで、深く急峻な谷が形成されたと考えられている。北山川の水源である大台ガ原は雨量の多いこと、またこの地方も雨の多いことなどから、その浸食活動も活発であったと思われる。なお、瀞とは川の水に浸食されてできた深い淵で、流れがゆるやかな所のことをいう。
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みどころ

荒々しく切り立つ断崖と巨岩、静かな深い瀞の水は神秘的なコバルトブルーに澄みわたっている。景観の美しさは下瀞、いわゆる瀞八丁が一番で、国の特別名勝、天然記念物に指定されている。季節的には春から秋がよく、ことに沿岸のツツジ・シャクナゲ・サツキが咲く春、紅に燃える紅葉が瀞峡に彩りを添える秋が美しい。
 奥瀞では、かつて、熊野で伐採された木材の運搬に一役かった筏に乗って川下りを体験できる。筏下り*ができるのは全国でもこの村だけで、熟練の筏師がかい一本だけで激流を乗り切っていくさまは見事。例年、5~9月の運行で、オトノリ~小松間約6kmを1時間で下る。
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補足情報

*筏下り:瀞峡といえば古くはプロペラ船、昭和40年代以降はウォータージェット船と、船に乗って水上からの景観を楽しめる峡谷であったが、2011年の「紀伊半島大水害」以降、熊野川及び北山川に流入する土砂が年々増加したこと等を背景に、一時期は観光船の運航が無くなっていた。2022年からは運行事業者が変わり、川舟による観光が復活している。
関連リンク 新宮市観光協会(WEBサイト)
参考文献 新宮市観光協会(WEBサイト)
熊野市観光協会(WEBサイト)

2025年02月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。