貴船神社
叡山電鉄鞍馬線貴船口駅から北へ約2km、貴船川畔にある。貴船口駅からバスなら4分の貴船下車、徒歩5分。祭神は水の供給を司る神・高龗神(たかおかみのかみ)。賀茂川の水源地に祀られ、818 (弘仁9)年以来、治水の神・祈雨祈晴の神として崇められ、日照りや長雨、国家有事の際には必ず勅使が差し向けられ、祈雨には黒馬、止雨には白馬を献上したという。もとは現在の奥宮の地に祀られたが、1055(天喜3)年に現在地へ。中世以降は上賀茂神社の摂社となったが、1871(明治4)年に官幣中社となり、独立。社名も、古くは木船、貴布祢と書かれたが、独立後は貴船*と改めた。
石段を上がった先に鎮まる本宮本殿は、2005(平成17)年に新たに建て替えられたもの。社務所手前には重森三玲(しげもりみれい)による石庭がある。貴船山の湧水である御神水に浸す水占いが人気。紅葉でも知られる。川沿いには料理旅館が並び、夏には涼味漂う川床が出される。
本宮本殿から徒歩7分の結社(ゆいのやしろ)と呼ばれる中宮は、古くから縁結びの神としての信仰を集め、和泉式部も参詣した。結社から奥宮までは、さらに徒歩5分。奥宮本殿左には、社の創建に関わる石を船形に積んだ船形石*があり、漁業関係者の信仰が篤い。
石段を上がった先に鎮まる本宮本殿は、2005(平成17)年に新たに建て替えられたもの。社務所手前には重森三玲(しげもりみれい)による石庭がある。貴船山の湧水である御神水に浸す水占いが人気。紅葉でも知られる。川沿いには料理旅館が並び、夏には涼味漂う川床が出される。
本宮本殿から徒歩7分の結社(ゆいのやしろ)と呼ばれる中宮は、古くから縁結びの神としての信仰を集め、和泉式部も参詣した。結社から奥宮までは、さらに徒歩5分。奥宮本殿左には、社の創建に関わる石を船形に積んだ船形石*があり、漁業関係者の信仰が篤い。

みどころ
鳥居*をくぐり、両側に赤い灯籠が並ぶ石段をあがると表門に着く。左には樹齢400年、樹高30mのカツラの神木がある。その横、「天津磐境(あまついわさか)」*と名付けられた石庭は、1965(昭和40)年、重森三玲により造られた。水占いは、拝殿前左手の水占斎庭(みずうらゆにわ)の御神水に白紙の水占みくじを浸けると、運勢を告げる文字が浮かび上がる。奥宮への道の半ば過ぎの左手やや高みに鎮まる小社が結社。磐長姫命(いわながひめのみこと)を祀り、縁結びの霊験*がいわれ、和泉式部の歌碑*が立つ。奥宮への道の途中に、樹齢1,000年とされる神木の相生杉がそびえ、奥宮入口の鳥居近くには高さ4.5m、胴回り9mのつつみヶ岩がある。奥宮本殿の下には龍穴があると伝えられる。境内の神木はスギとカエデが繋がった珍しいもの。

補足情報
*貴船:地名やバス停は「きぶね」と読むが、神社は濁らずに「きふね」と読む。
*船形石:神武天皇の母・玉依姫が船で大阪湾から淀川、賀茂川を遡り、貴船に至り、乗ってきた船を小石を積んで隠したというのが船形石。この船が黄色だったため「黄船」といったとも。長さ約10m、幅約4m、高さは2mほどで、ぐるりとしめ縄が張ってある。
*鳥居:ちなみに石段前の鳥居は二の鳥居で、一の鳥居は貴船口駅のすぐそばに立っている。
*「天津磐境」:磐境は神を祀る場所を意味し、庭石として珍重される貴船石を周囲に立て並べた細長い庭。作者の重森三玲は昭和を代表する造園家の一人。
*縁結びの霊験:貴船神社が恋に絡む伝えは、和泉式部のほかに宇治の橋姫伝説が知られる。「平家物語」剣巻に、嫉妬に狂う貴族の娘が、殺したい人がいるから鬼になりたいと貴船神社に7日間参籠、貴船明神の教えに従って生きながら鬼になったという。丑の刻参りの由来でもあるといわれる。能「鉄輪」もこの説話から生まれた。
*和泉式部の歌碑:夫の心変わりに苦しんだ和泉式部が貴船神社に参拝して詠んだ歌「もの思へば澤のほたるもわが身より あくか(が)れいつ(づ)る魂かとぞ見る」を刻む。和泉式部の願いは叶って夫婦仲はよくなったという。
*船形石:神武天皇の母・玉依姫が船で大阪湾から淀川、賀茂川を遡り、貴船に至り、乗ってきた船を小石を積んで隠したというのが船形石。この船が黄色だったため「黄船」といったとも。長さ約10m、幅約4m、高さは2mほどで、ぐるりとしめ縄が張ってある。
*鳥居:ちなみに石段前の鳥居は二の鳥居で、一の鳥居は貴船口駅のすぐそばに立っている。
*「天津磐境」:磐境は神を祀る場所を意味し、庭石として珍重される貴船石を周囲に立て並べた細長い庭。作者の重森三玲は昭和を代表する造園家の一人。
*縁結びの霊験:貴船神社が恋に絡む伝えは、和泉式部のほかに宇治の橋姫伝説が知られる。「平家物語」剣巻に、嫉妬に狂う貴族の娘が、殺したい人がいるから鬼になりたいと貴船神社に7日間参籠、貴船明神の教えに従って生きながら鬼になったという。丑の刻参りの由来でもあるといわれる。能「鉄輪」もこの説話から生まれた。
*和泉式部の歌碑:夫の心変わりに苦しんだ和泉式部が貴船神社に参拝して詠んだ歌「もの思へば澤のほたるもわが身より あくか(が)れいつ(づ)る魂かとぞ見る」を刻む。和泉式部の願いは叶って夫婦仲はよくなったという。
関連リンク | 貴船神社(WEBサイト) |
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参考文献 |
貴船神社(WEBサイト) 「京都府の歴史散歩 中」山川出版社 |
2025年05月現在
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