鴨川の納涼床
阪急京都線河原町駅、地下鉄東西線三条京阪駅、京阪本線清水五条駅・祇園四条駅・三条京阪駅下車。五条大橋から二条大橋の間の鴨川西岸の料亭・旅館・レストラン・カフェ・バーなどが、5月1日~10月15日(一部の店舗は9月30日)の間、鴨川の西側に沿って一段高く流れる禊(みそぎ)川*の上に設ける納涼施設。夕涼みしながら、屋外の床で鴨川・東山を眺めて食事やお酒が楽しめる、京都の夏の風物詩である。「川床*」または「床」と書いて、ともに「ゆか」と呼び、床を組んで営業する店は81店(2025年)にも及ぶ。
豊臣秀吉が三条橋、五条橋の架け替えを行った後、いまよりはるかに広かった鴨川の河原や中州は見世物や物売りで賑わった。富裕な商人が見物席を設け、茶店が開かれるようになったのが、納涼床の始まりである。江戸時代に入ると石垣や堤が整備されて付近に花街も形成され、歓楽街が生まれる。祇園祭の神輿洗いなどの見物客も大勢集まった。江戸中期には約400軒の茶屋が床几の数を定めるなど組織化も進む。両岸には張出床が並び、浅瀬や砂州には床几が置かれ、「河原の涼み」*と呼ばれていたという。明治には開設時期が7~8月となるが、鴨川運河の開削、大正には京阪本線の三条延伸などにより、東岸の床が姿を消し、さらに鴨川の治水工事で西岸も床が消滅したが、鴨川の西側に沿って新たにできた禊川の上に床が復活する。その後半永久的な張出床の禁止、台風、大洪水、河川改修、戦争など紆余曲折の末、1952(昭和27)年に景観上の基準を含め「納涼床許可基準」が策定され、現在の姿に至っている。
豊臣秀吉が三条橋、五条橋の架け替えを行った後、いまよりはるかに広かった鴨川の河原や中州は見世物や物売りで賑わった。富裕な商人が見物席を設け、茶店が開かれるようになったのが、納涼床の始まりである。江戸時代に入ると石垣や堤が整備されて付近に花街も形成され、歓楽街が生まれる。祇園祭の神輿洗いなどの見物客も大勢集まった。江戸中期には約400軒の茶屋が床几の数を定めるなど組織化も進む。両岸には張出床が並び、浅瀬や砂州には床几が置かれ、「河原の涼み」*と呼ばれていたという。明治には開設時期が7~8月となるが、鴨川運河の開削、大正には京阪本線の三条延伸などにより、東岸の床が姿を消し、さらに鴨川の治水工事で西岸も床が消滅したが、鴨川の西側に沿って新たにできた禊川の上に床が復活する。その後半永久的な張出床の禁止、台風、大洪水、河川改修、戦争など紆余曲折の末、1952(昭和27)年に景観上の基準を含め「納涼床許可基準」が策定され、現在の姿に至っている。

みどころ
屋根も障壁もない床の開放感と、川面をきらめかせながら流れ下る夜の鴨川、幅広い川の向こう、夜の灯りの先に横たわる東山。贅沢なシチュエーションといえる。特に8月16日の大文字送り火の見られる床は最高。大文字送り火観賞のセットプランを組む店もあるが、人気が高いので予約は早めに。見下ろせば鴨川の土手には名物?の等間隔のカップルが…。対岸や橋の上から眺める、鴨川に映る納涼床の灯りの帯も美しい。高級な京料理の店ばかりでなくフレンチ、焼肉、湯豆腐、カフェ、スイーツなど好みの店*を選ぶことができ、またランチタイムに営業している店もある。夏の夕立時にも、納涼床から室内に場所を変えて飲食が続けられる。

補足情報
*禊川:みそそぎ川ともいう。賀茂大橋南で鴨川から取水。暗渠を流れ、丸太町橋を過ぎると地表に出て、二条大橋南で高瀬川を分け、五条大橋の北で再び鴨川に流れ込む。
*川床:京都ではほかに貴船の川床(かわどこ)、高雄の川床(かわどこ)などがある。
*河原の涼み:歌川広重の「京都名所之内 四条河原夕涼み」や、「都林泉名勝図会 四条河原」にその賑わいが描かれている。
*店:京都鴨川納涼床協同組合の「鴨川納涼床への誘い」https://www.kyoto-yuka.com/shop/には、五条大橋から団栗橋までの下木屋町エリア、団栗橋から四条大橋までの西石垣エリア、四条大橋から三条大橋までの先斗町エリア、三条大橋から二条大橋までの上木屋町エリアの4地域に分け、それぞれの店が紹介されている。営業時間は店により異なり、朝に営業しているところもある。
*川床:京都ではほかに貴船の川床(かわどこ)、高雄の川床(かわどこ)などがある。
*河原の涼み:歌川広重の「京都名所之内 四条河原夕涼み」や、「都林泉名勝図会 四条河原」にその賑わいが描かれている。
*店:京都鴨川納涼床協同組合の「鴨川納涼床への誘い」https://www.kyoto-yuka.com/shop/には、五条大橋から団栗橋までの下木屋町エリア、団栗橋から四条大橋までの西石垣エリア、四条大橋から三条大橋までの先斗町エリア、三条大橋から二条大橋までの上木屋町エリアの4地域に分け、それぞれの店が紹介されている。営業時間は店により異なり、朝に営業しているところもある。
関連リンク | 京都鴨川納涼床協同組合(WEBサイト) |
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参考文献 | 京都鴨川納涼床協同組合(WEBサイト) |
2025年05月現在
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