ハモ料理
内陸部にある京都では、鮮度*のよい魚を手に入れるのは大変なことであったが、生命力の強いハモは生きたまま京都まで運ばれた。ハモは梅雨の水を飲んでうまくなるといわれ、旬は7~8月。祇園祭の時期に当たり、祭りの献立に欠かせない魚ということで、祇園祭は別名「ハモ祭り」とも呼ばれる。
ハモは頭から尾の手前まで鋭い小骨が多く、皮にも絡んでいるため、京都では下ごしらえとして「骨切り」という技術が磨かれた。「1寸に25切れの包丁を入れられたら一人前」といわれる職人芸である。これによって淡白で上品な味わいのハモを、骨を気にせず食べられるようになる。料理は「落とし」、ハモ寿司など多彩。
ハモは頭から尾の手前まで鋭い小骨が多く、皮にも絡んでいるため、京都では下ごしらえとして「骨切り」という技術が磨かれた。「1寸に25切れの包丁を入れられたら一人前」といわれる職人芸である。これによって淡白で上品な味わいのハモを、骨を気にせず食べられるようになる。料理は「落とし」、ハモ寿司など多彩。

みどころ
ハモの骨切りには骨切り包丁*を使い、身がバラバラにならないよう、皮を残して切る。骨切りをしたハモを熱湯に通すと、細かく切った身が反り返って白い花のように開く。これをハモの落とし*、または湯引きハモ、牡丹ハモといい、そのまま梅肉やからし酢味噌を添えて食べるのが代表的。ハモ寿司は棒寿司や箱寿司もある。ハモと胡瓜を酢で和えた「はもきゅう」や、照焼き、天ぷらなど料理法はさまざま。京都ではハモは皮も売っていて、細かく刻んであぶって胡瓜*と和えたりする。ハモ料理の老舗は二条通室町西入ルの堺萬(さかいまん)など。1781(天明元)年創業という祇園新地の「いづう」では、夏限定で鱧姿寿司をあつかう。

補足情報
*鮮度:ハモは皮膚呼吸ができ、水がなくても24時間以上生きていられる。海に近い土地では厄介な骨をもつハモを面倒な手間をかけて食べる必要がなかったが、京都ではその地理的環境から貴重なハモを食べることにこだわり続けた結果、ハモ料理が京都の名物といわれるまでに成長した。
*骨切り包丁:長さ30cm前後で、刃も硬い骨で刃こぼれしないようやや厚めになっていて、これで押し切るように使う。
*ハモの落とし:湯を通しただけのものと、さらに冷水をくぐらせるものがある。
*胡瓜:八坂神社の神紋・五瓜に唐花(ごかにからはな)が胡瓜の輪切り断面に似ていることから氏子は祇園祭の1カ月は胡瓜を食べない、とされた。いまも料亭などでは輪切りを避け、縦に切って使っているところがある。
*骨切り包丁:長さ30cm前後で、刃も硬い骨で刃こぼれしないようやや厚めになっていて、これで押し切るように使う。
*ハモの落とし:湯を通しただけのものと、さらに冷水をくぐらせるものがある。
*胡瓜:八坂神社の神紋・五瓜に唐花(ごかにからはな)が胡瓜の輪切り断面に似ていることから氏子は祇園祭の1カ月は胡瓜を食べない、とされた。いまも料亭などでは輪切りを避け、縦に切って使っているところがある。
関連リンク | 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) |
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参考文献 | 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) |
2025年05月現在
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