都をどり(祇園甲部歌舞練場)みやこをどり(ぎおんこうぶかぶれんじょう)

「都をどり」は祇園甲部歌舞練場で毎年4月1~30日に行われる舞踊公演。京都五花街*の一つで、なかでも最大規模の花街である祇園甲部の芸妓・舞妓が華麗な舞を披露する。祇園甲部歌舞練場は京阪本線祇園四条駅から徒歩8分、阪急京都線京都河原町駅から徒歩10分。
 都をどりは1872(明治5)年に京都博覧会の催し物として初演。以後150年以上にわたって続き、京都の春の風物詩として親しまれている。舞台は「都をどりはヨーイヤサァー」の掛け声で開幕。約1時間の上演中、幕を一度も下ろすことなく、全八景で、春から次の春へと四季を巡る。人間国宝・井上八千代の指導による京舞井上流の舞踊と、京都の四季をテーマにした舞台装置、芸妓・舞妓による三味線と唄、笛や太鼓の生演奏が一体となり、京都の花街文化の伝統を体現する一大エンターテインメントとなっている。
 祇園甲部歌舞練場では毎年10月には温習会*が開催され、こちらは京の秋の風物詩となっている。また祇園甲部歌舞練場に隣接する「八坂倶楽部」内に、2024年5月、「祇園 花街芸術資料館」がオープン。芸妓・舞妓が身にまとう衣装や化粧道具、かんざしや扇などを展示するほか、芸妓・舞妓による京舞の披露や、歌舞練場の舞台見学などもあり、花街文化にたっぷり浸ることができる。
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みどころ

祇園甲部の正式唯一の流派・京舞井上流による、豪華絢爛な群舞「総をどり」は、息を呑むような美しさ。毎年発表される新作舞も楽しみだ。芸妓・舞妓がまとう手描き友禅の着物や西陣織の帯、扇などの持ち物まで、すべてが職人の手による一級の芸術品。日本画の技法を駆使した舞台背景も、都をどりの華やかさを引き立てている。
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補足情報

*京都五花街:京都には花街が5つある。祇園甲部のほかは、先斗町、祇園東、宮川町、上七軒。
*温習会:祇園甲部の芸妓・舞妓が京舞井上流に伝わる伝統的な舞を披露する。
関連リンク 祇園甲部(WEBサイト)
参考文献 祇園甲部(WEBサイト)
「和楽」2013年8・9月号

2025年05月現在

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