和束町の茶畑
JR関西本線(大和路線)加茂駅から奈良交通バスで約15分。和束町は京都府南部、奈良県との府県境近くに位置する。南山城地域の最高峰である鷲峰山(じゅうぶさん)が北にそびえ、町の中央を木津川の支流・和束川が流れる。その流域の丘陵地に茶畑*が広がっている。宇治茶生産800年の歴史*があり、現在も京都府最大の茶産地として宇治茶の約4割を生産。人口4,000人に満たない町で、茶農家は200戸を数える。
「霧香」といって、和束の茶は独特の霧の香りがするといわれる。和束は山がちで和束川が流れており、昼夜の寒暖差が大きいため霧が発生しやすい。その霧が茶葉を包み込み、強い日差しから茶葉を守ると同時に、独特の旨味と芳香を生み出すのである。さらに和束の茶は、茶の収穫から製茶の工程まで一貫して管理しているのが特徴。機械による製茶もすべて自動化せずに、茶農家の熟練の技がいかされている。その結果、極めて高品質な煎茶が生み出されているのである。
第一次産業・第二次産業の茶葉生産が、観光対象資源として注目を浴びるようになったのは、2008(平成20)年に和束の茶畑が京都府景観資産第1号に登録され、また京都府文化的景観に選定されてからである。2013(平成25)年には、「日本で最も美しい村」連合に加盟、2015(平成27)年には和束町をはじめ山城地域の市町村が関係する「日本茶800年の歴史散歩」が日本遺産に認定された。
それまで観光客がほとんど訪れることのなかった町では、六次産業化の取り組みを進めてきた。観光案内所をオープンさせ、和束茶カフェ、天空カフェなどもでき、茶源郷まつりなどのイベントを開催。遊歩道を整備し、ガイドツアーも行われている。農家民宿も含め、宿泊にも対応できるようになってきている。
「霧香」といって、和束の茶は独特の霧の香りがするといわれる。和束は山がちで和束川が流れており、昼夜の寒暖差が大きいため霧が発生しやすい。その霧が茶葉を包み込み、強い日差しから茶葉を守ると同時に、独特の旨味と芳香を生み出すのである。さらに和束の茶は、茶の収穫から製茶の工程まで一貫して管理しているのが特徴。機械による製茶もすべて自動化せずに、茶農家の熟練の技がいかされている。その結果、極めて高品質な煎茶が生み出されているのである。
第一次産業・第二次産業の茶葉生産が、観光対象資源として注目を浴びるようになったのは、2008(平成20)年に和束の茶畑が京都府景観資産第1号に登録され、また京都府文化的景観に選定されてからである。2013(平成25)年には、「日本で最も美しい村」連合に加盟、2015(平成27)年には和束町をはじめ山城地域の市町村が関係する「日本茶800年の歴史散歩」が日本遺産に認定された。
それまで観光客がほとんど訪れることのなかった町では、六次産業化の取り組みを進めてきた。観光案内所をオープンさせ、和束茶カフェ、天空カフェなどもでき、茶源郷まつりなどのイベントを開催。遊歩道を整備し、ガイドツアーも行われている。農家民宿も含め、宿泊にも対応できるようになってきている。

みどころ
茶畑は山の斜面に広がっている。下から眺めるだけで十分に楽しめ、茶畑に立ち入るのは禁止されている。また町内の道は狭く、対向車とのすれ違いも難しいところが多いので、歩いて見学を。どこから見ればいいかわからない場合は事前に観光案内所に尋ねるか、ガイドツアーに参加するのを勧めたい。

補足情報
*和束の茶畑:静岡県牧之原や福岡県八女のように、1カ所に広大な面積を擁するのではなくて、山なりに茶畑が点在する。その主な場所は以下の通り。
白栖・石寺:「早場(はやば)」の地域で、4月下旬に茶摘みが始まる。近代的な農園整備が行われ、空まで続くかのような茶畑が見られる。
釜塚:傾斜地を先人がすべて手鍬で開墾し拡げた。茶畑と民家が隣り合わせにある。
撰原(えりはら):急な傾斜に合わせ、パッチワークのように繊細に畝が巡らされている。
原山:和束に初めて茶の木が植えられた地と伝わる。
*800年の歴史:鎌倉時代、茶業の祖とされる明恵上人から種の分与を受けた海住山寺の慈心上人が鷲峰山の山麓で栽培したのが始まりといわれる。
白栖・石寺:「早場(はやば)」の地域で、4月下旬に茶摘みが始まる。近代的な農園整備が行われ、空まで続くかのような茶畑が見られる。
釜塚:傾斜地を先人がすべて手鍬で開墾し拡げた。茶畑と民家が隣り合わせにある。
撰原(えりはら):急な傾斜に合わせ、パッチワークのように繊細に畝が巡らされている。
原山:和束に初めて茶の木が植えられた地と伝わる。
*800年の歴史:鎌倉時代、茶業の祖とされる明恵上人から種の分与を受けた海住山寺の慈心上人が鷲峰山の山麓で栽培したのが始まりといわれる。
関連リンク | 和束町(WEBサイト) |
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参考文献 |
和束町(WEBサイト) 「和束のいとなみ」和束町 「和束町の茶畑景観及び茶文化保護に向けた研究会報告書」神戸夙川学院大学 2012年 |
2025年05月現在
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