海津大崎のサクラかいづおおさきのさくら

海津大崎は、琵琶湖の北端、海津湾の東に波食によって突き出した岩礁地帯で、紺碧の深い湖中に断崖となって落ち込む。その大崎に、春にはソメイヨシノが彩る。
 このサクラ並木は、1936(昭和11)年に大崎トンネルが完成したのを記念して、海津村(当時)が植樹をしたものである。しかしそれより5年前に、滋賀県高島地方事務所の修路作業員の宗戸清七が、自費でサクラの若木を植えたのが最初である。そのサクラが咲き始めると、村の青年団も協力するようになって、今日みるサクラ並木となったのである。現在では4月上旬に約800本のソメイヨシノが4kmにわたって咲き誇る。
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みどころ

県道557号線が屈曲しながら琵琶湖に接して走るので、湖、サクラ、岩礁と被写体がすばらしく、海津大崎のサクラは人気がある。樹齢80年を超える老サクラが見られるが、若木も植樹されており、サクラ並木の存続は心配なさそうである。「美しいマキノ・桜守の会」*が中心になって、サクラの保全活動に取り組んでいる。
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補足情報

*美しいマキノ・桜守の会:1997(平成9)年に発足。開花前の3月にごみ拾い、開花後の5~6月と秋に、施肥、コケ落とし、草刈り、サクラの補植をする活動を実施。