英虞湾あごわん

英虞湾へのアクセス*は近鉄志摩線の発着駅が賢島となっているが、周辺観光地への二次交通の拠点は鵜方駅(志摩市内の各方面に向かう三重交通バスの路線バスの停留所が鵜方駅前にある)。志摩半島南部に位置する一番大きな入海。わが国有数のリアス海岸美を誇り、2016(平成28)年の第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場となった賢島をはじめ、約60の大小さまざまの島々や半島が美しい海岸線を作っている。
 「英虞の浦に船乗りすらむをとめ等が珠裳の裾に潮満つらむか」(柿本人麿)は持統天皇が伊勢に行幸の際、女官たちが英虞湾で船遊びをした様を詠んだ歌と伝えられており、万葉のむかしから歌に詠まれた名勝である。特にその夕景の美しさで知られている。
 現在は伊勢志摩国立公園の一部で、登茂山や横山といった展望台からの景色は写真撮影スポットとして知られ、湾を一望する美しい景観が楽しめる。真珠養殖の一大産地でもあり、青海苔やアサリ、岩ガキなどの海産物にも恵まれている。
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みどころ

みどころは多島海の自然美と真珠養殖の筏に代表される海の暮らしの景観である。現在、環境省が進める「国立公園満喫プロジェクト」の8つのモデル公園の一つとして伊勢志摩国立公園が選定され、各種の施設整備が進められている。
 横山展望台は2018年8月、『天空カフェテラス』がオープンし、民間が運営するテラス内のテイクアウトカフェ『Mirador Shima(ミラドール志摩)』では、あおさドーナツ、志摩ソフトクリームなどのメニューが揃う。国立公園内の施設とは思えない洒落た空間となっている。さらにウッドデッキの遊歩道が整備され、車椅子でも安心して展望台に行くことが可能となった。全国の国立公園の展望台の中でも洒落た空間として知られるようになっている。
 伊勢志摩サミット(主要先進国首脳会議)の会場となった「志摩観光ホテル」は、その後も当日の食事をイメージしたメニューを提供するなど一つの観光名所ともなっている。
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補足情報

*アクセス:中部国際空港から陸路で賢島まで約195km。また、和具や御座、浜島方面へは賢島から定期巡航船(志摩マリンレジャー)が運航している。