佐布里池の梅林そうりいけのばいりん

名鉄常滑線朝倉駅から知多バス佐布里線「梅の館」下車。明治の初めの頃、佐布里の鰐部(わにべ)亀蔵が桃の木に梅を接ぎ木して作り出した品種が佐布里梅である。五輪でうす紅色の花が咲き、果肉は厚く、核が小さいのが特徴で、梅干しや梅酒に適している。
 明治後期から数多くの梅が植えられ、大正時代から昭和初期にかけて、現在の名鉄が観光地として宣伝し、生業と観光で発展した。戦後、1959(昭和34)年の伊勢湾台風で梅林は大被害を受けたうえに、翌1960(昭和35)年の佐布里池の建設で、梅林の多くが水没した。佐布里池完成後、梅の苗を植え、佐布里池梅林が復活した。
 現在は「佐布里緑と花のふれあい公園」として1年を通じ多くの来訪者で賑わっている。公園の愛称が「梅っ花そうり」というように梅が公園の主役であることには変わりなく、梅林には25種約6,000本(2020年)の梅の木がある。
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みどころ

全国各地の生産目的の梅林は、本数は多いが当然、花を見るためではないので、本数のわりに美しさに欠ける。その点、梅と知多市とのつながりは明治時代から生業と観光との関係で発展し、いまの佐布里池の梅林は、池を背景に斜面を利用して、観光も目的に計画して植樹をしてきたので、見て楽しい梅林になっている。公園は歩いて楽しく設計されているので、ウォーキングをする人や、近くの人気がでてきた岡田の町並みへの誘導標識も多く、岡田へ足を伸ばす人も多い。中心施設にはレストラン・売店があり、土日には朝市、料理・菓子作りの体験講座などが楽しめるので、「佐布里緑と花のふれあい公園」はいつも賑わっている。