飛騨大鍾乳洞ひだだいしょうにゅうどう

国道158号線で高山市街から奥飛騨温泉郷へのおよそ中間のところにあり、標高約900mに位置する。洞内の温度は、年間を通じて8度から12度である。
 鍾乳洞のある飛騨地方は、2億5千万年前には海だった。海中でサンゴやフズリナ(紡錘虫)などの死骸が固まって、石灰石ができた。
その後、石灰岩のできた場所が地殻変動により隆起した。隆起した石灰岩を、雨水などが数万年以上かけて削り、地下に鍾乳洞ができた。谷が深くなって、山の腹に鍾乳洞の入り口が開いた。
 1965(昭和40)年に発見され、洞内の見学可能な延長は約800mあり、白くて繊細な鍾乳石*(しょうにゅうせき)が特徴。左右にねじりながら垂れ下がったヘリクタイト(曲り石)が多く、中が筒状になったストロー、床から上方へたけのこ(筍)のように成長した石筍(せきじゅん)など、いろいろな鍾乳石が見られる。
 洞内に入ると「3段の滝」があり、さらに進むと「仏の座」、「竜宮の夜景」、「ローマの遺跡」、「ナイアガラの滝」などと名付けられた変化に富んだ鍾乳石が、次々と現われる。
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みどころ

鍾乳石は1cmできるのに、100年から300年かかるといわれている。洞内は、大自然が膨大な時間をかけ作りあげた造形の鍾乳石が続き、ライトアップの演出と相まって、まるで別世界。幻想の宮殿に迷い込んだようで、しばし太古の世界に誘われる。
 鍾乳洞内は第1洞~第3洞までの3つの区分がある。それぞれに出口が設けられていて、第2出口より先は急な坂道になる。足腰に自信のない方は、ここで出られるので、安心して進むことができる。
 また、入り口手前にある大橋コレクション館は、世界各国から集めた美術品や装飾品などが多く展示されている。
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補足情報

*鍾乳石:雨水により、石灰石の主成分である炭酸カルシウムを溶かした水が、洞穴で再び固まり石になったもの。
関連リンク 飛騨大鍾乳洞(WEBサイト)
参考文献 飛騨大鍾乳洞(WEBサイト)
新穂高温泉(WEBサイト)
高山市(WEBサイト)
『飛騨大鍾乳洞』パンフレット(+洞内説明文)

2024年02月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。