表佐の太鼓踊りおさのたいこおどり

江戸時代初期に、南宮大社(なんぐうたいしゃ)の水神様に雨乞いをして太鼓を打ち、願いが叶ったお礼に「礼踊り」として太鼓踊りを奉納したのが始まりと伝わる。
 現在は、10月第1日曜日に表佐こども園(JR東海道本線垂井駅の南東約2km)の園庭で行われている。浴衣姿に、直径1m~1.3m、重さ50kg~60kgある大太鼓を腹につけ、上下左右に振り動かし、音頭に合わせて踊りながら太鼓を打つ。音頭と踊りの演目は、「打込み」から始まり、「築地(つんじ)」「元禄」と続き、「笹の葉踊り」、「金堀踊り」、「貝吹踊り」、「綾踊り」と移っていく。合間合間に囃子がある。
 音頭に加え、太鼓のほか鉦打やざい振りと、大人から子供まで100人近くの多人数が輪になって踊る。
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みどころ

雨乞いで始まった踊りは、時代を経て五穀豊穣の喜びを奉納するようになり、次第に農民の娯楽や若者の鍛錬を兼ねた神事芸能となった。それにつれて、太鼓がだんだん大きくなり、現在に至っている。
 人と太鼓が一体となり、音頭にあわせ踊りながら大きく重い太鼓を打つ姿が勇ましい。大太鼓が響く中、総勢100名近くが歌い踊り、会場に熱気が溢れる。
 江戸時代から続いている芸能と現代の人々が共存融合し、魅力ある伝統文化を高めて、次世代へと引き継いでいる。