久田見まつりくたみまつり

岐阜県の中南部に位置する八百津町久田見地区の神明(しんめい)神社と白髭(しらひげ)神社の祭礼として、4月第3日曜日に行われる。1590(天正18)年、稲葉右近方通がこの地を領地とするようになって、振獅子・神馬廻とともに、山車を曳く祭礼が始められたと伝わる。
 彫刻を漆や金箔で飾った高さ4~5mの6両の山車が行列を組んで進む。両神社では、曳き揃えられた山車ごとに設けられた舞台の上で、からくり人形劇がくり広げられる。山道・坂道を曳き上るために、山車は大型でなく二輪式となり、直接からくり人形を使うことは難しかった。山車の舞台を三重の構造にして、下部より第一台座の「うけひ」、第二台座の「碁盤」、最上の台座の「からくり台」と順次上に積み重ねている。操り師が引く糸は第一台座で歯車に接続し、第二台座の歯車を経て、最上の台座まで歯車で接続される。人形は別に肢体をからくり糸で動くように作られている。操り師と人形を結ぶ糸が歯車によって一旦切られている。この構造・技法を「糸切りからくり」と呼び、たいへん珍しい仕組みである。からくり人形劇は、その年ごとの世相を反映した内容で披露される。
 「久田見の糸切りからくり」は、1975(昭和50)年に記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。
#

みどころ

久田見まつりの「祭り神事規約」に従い、祭礼の従事者は禁酒して、まつりの執行は一糸乱れることなく極めて厳粛に古式ゆかしく行われる。
 からくり人形は、6両の山車地区の青年達が、毎年ごと趣向と工夫をこらし創作して、披露している。華麗な山車の舞台において、伝統の「糸切りからくり」の技で現代の世相を表現する。まつりは、長きにわたって受け継がれてきた歴史に若い新たな活力が注入され、大きな魅力となって盛り上がる。