野沢温泉の道祖神祭りのさわおんせんのどうそじんまつり

野沢温泉村で古来行われてきた行事の道祖神*祭り。全国的には「どんど焼き」などの呼称で正月飾りや締め飾りなどを焼く行事として広く行われているが、ここ野沢温泉村の道祖神祭りは壮大な規模で行われる火祭り。
 1月15日の夜に行われる祭りであるが、その準備は前年の9月から始まる。9月中旬には燃え草を集める作業、10月にはブナの木5本の御神木の伐採など。1月13日、御神木を祭場まで引き出すが、その途中で沿道の家々からから御神酒が献納され、お祝いされる。その後、火祭りのため御神木を中心とした道祖神の社殿が造営され、1月15日20時から火祭りが開始される。
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みどころ

道祖神祭りのために前年の9月から始める準備作業の燃え草集めと御神木の伐採、住民の中で長男が生まれた家で作る9mの高さの初灯篭づくりなど、祭りのための準備から祭が始まる。御神木で作られた7mの道祖神の社殿の基礎の上に初灯篭がつきだし、立派な社殿が完成する。
 15日20時頃、火打石でおこした火を大松明につけ、道祖土の歌と共に会場に運ばれて火祭りが始まる。社殿に火をつけようとする火付け役と、これを守ろうとする火消し役の白熱した争いが続くが、とうとう社殿に火がつき燃え上がるまでが祭りのクライマックスで迫力がある。(林 清)
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補足情報

*道祖神:アルプスの雄大な山々をバックに、畔や道の辻にひっそりとたたずむ道祖神。庶民の祈りを込めて祭られた素朴な石仏像である。道祖神とは、むかし中国で旅人の安全を祈った道の神様であるといわれ、その信仰は日本全国に広まったが、特に関東・中部地方に多くみられる。信州では安曇野・塩田平・望月町・野沢温泉村・山形村などに多く、中でも安曇野は双体道祖神の一大宝庫である。縁結びや子孫繁栄、豊作を祈って作られた双体道祖神は、一石に男女二体が仲良く刻まれたものをいう。手を取り合うもの、祝言の酒をくみ交すもの、抱き合っているもの、接吻しているものなど形はさまざまである。表現は素朴で荒けずりなものが多く、親しみやすく愛らしい。中には高貴な雰囲気を漂わす芸術性の高いものもある。
関連リンク 信州野沢温泉(野沢温泉観光協会)(WEBサイト)
参考文献 信州野沢温泉(野沢温泉観光協会)(WEBサイト)
「野沢温泉道祖神祭り」 パンフレット
「からんころん」 パンフレット 野沢温泉観光協会

2022年09月現在

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