飯田りんご並木いいだりんごなみき

飯田市は長野県南部の天竜川右岸の河岸段丘の上にある城下町として発展してきた。
 1947(昭和22)年に飯田大火が発生、乾燥状態と風速4 ~15mの風によって約10時間にわたり延焼しつづけた。市の中心部を含め3742棟が焼失し、焼損面積48万1985m2、罹災戸数4,010戸、罹災人員17,771人に及び、飯田中心街の約7割が焼失した。
 この大火後の1953(昭和28)年、防火帯の道路に「りんご並木」が飯田東中学校の生徒たちにより造られた。大通りの中央分離帯に植えられた全長約400mの並木は、飯田大火復興のシンボルであるとともに、現在では飯田市のシンボルとして広く親しまれている。
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みどころ

1999(平成11)年に並木全体が大きな公園として再生され、春には白い花・秋には赤い実をつけ、道行く人の心を和ませている。現在でも年間を通して市内の地元住民と中学生により管理され、毎秋に収穫作業がおこなわれており、地域と密着した公園の在り方に感心する。
 周辺には飯田市立動物園、川本喜八郎人形美術館、飯田市美術博物館などの施設が集積している。(林 清)