高峰温泉たかみねおんせん

高峰山の西側、標高2,000mの山あいの高原にある静かな一軒宿の温泉。1956(昭和31)年から山麓で温泉旅館を開いていたが、1978(昭和53)年火災で全焼。これを機に標高2,000mの移転を考え、1983(昭和58)年現在の地で開業したもの。 
 温泉は36度、含硫黄・カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・炭酸水素塩泉で神経痛・高血圧によい。浴場は、野天風呂、ランプの湯、展望風呂と3カ所ある。
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みどころ

日本有数の山上のいで湯のひとつ「ランプの宿」として名高く、雲海や星空観察でも名を知れている。高峰マウンテンパークスキー場に接する高峰高原にある一軒宿で、水ノ塔山や篭ノ登山などの山岳の景色や登山、冬には高峰山へり気軽なスノーシューハイキングが楽しめる。この地域周辺のカラマツ林の景観も魅力である。 
 館内のランプは火災の危険を回避するために電気で灯しているものの、数多くのランプが美しい光を出している。「ランプの湯」も名物で、浴室にもランプが灯り、夜にはほのかな明かりでやすらぎを得ることができる。展望風呂、ランプの湯にはそれぞれ浴槽が2つあり、ぬるめの湯は源泉の硫化水素の香りが漂い、湯の華も浮かぶ。野天風呂は宿から少し離れたシャクナゲの樹林に囲まれたところにあり、4人までが限界のこじんまりした浴槽であるが、霧ヶ峰や美ヶ原など小諸方面の眺望が楽しめる。
 冬期間は積雪のため自動車通行禁止になり、高峰マウンテンパークスキー場から雪上車で送迎してくれるのも楽しみになっている。また積雪期には多くの野鳥が集まり、ひまわりの種をついばむ姿がほほえましく見飽きることがない。ホシガラス、カワラヒワ、様々なガラが順番に食べに来て、リスやテンなども訪れている。温泉や野鳥などを楽しむのであれば冬に訪れることをお勧めする。
 小説「高峰温泉物語」には、麓の旅館の火災から、山上の一軒宿を開業するまでの苦労が描かれている。小説を読み、眺める小諸市の夜景は、ひときわ感慨深い。(林 清)
関連リンク 高峰温泉(WEBサイト)
関連図書 「小説 高峰温泉物語」野口冬人 現代旅行研究所
参考文献 高峰温泉(WEBサイト)
こもろ観光局(一般社団法人こもろ観光局)(WEBサイト)
「高峰温泉」・「冬のハイキングコースガイド」パンフレット
「山歩きで楽しむ本物の温泉」石川理夫 アテネ書房

2022年09月現在

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