金峰山きんぷさん(山梨県側)、きんぽうさん(長野県側)

奥秩父主脈の西端、長野県と山梨県の県境に位置し、標高2,599mと標高でこそ北奥仙丈岳(2,601m)におよばないものの、奥秩父の主峰ともいうべき堂々たる山である。山頂には五丈岩(ごじょういわ)*がどっかと腰をすえている。
 奈良県吉野の金峰山から始まるとされる金峰山信仰。この山も古くから修験道の盛んな山で、古文書類にも「金峰」の名がみえる。
 山頂部はハイマツと砂礫地、岩稜帯で、北西部に位置する花崗岩の岩頭が林立する特異な山容の瑞牆山や東側の朝日岳とあわせて登山するコースや、長野県の川上村からは比較的短時間で山頂を踏むことができるコースもある。
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みどころ

山頂部の五丈岩が特徴的な山で近づいて見上げると、その大きさ迫力に圧倒される。また奥秩父の山では珍しくハイマツの明るい山頂である。山慣れた人は五丈岩の頂に登ることができ、南側の眺望を独り占めにできる。ただし、滑落しないように十分に注意したい。金峰山山頂からも雄大な景観が展開し、特に富士山の美しい姿、連なる南アルプス連山、八ヶ岳のほぼ全貌が望め、奥秩父の朝日岳から国師岳、甲武信岳への縦走コースも間近である。
 奥秩父の山々は遠方から眺めた時に山を特定することが難しいが、金峰山だけは五丈岩の凸部が特徴的で、はっきり認識できる山である。特に朝日岳方面からの金峰山は緑の深い森に包まれた山頂と五丈岩の姿が美しい。
 川上村の登山口に向かう途中には一面のレタス畑が広がり、カラマツ林と合わせて特徴的な景観が楽しめる。
 山麓部にはいくつかの温泉があり、特に北杜市の登山口にはラジウム温泉がある。(林 清)
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補足情報

*五丈岩:方丈節理の見事な岩。この花崗岩中にはペグマタイト岩脈が発達し、特有の巨晶となる。金峰山信仰のご神体。
関連リンク 川上村(WEBサイト)
参考文献 川上村(WEBサイト)
山梨市観光協会(WEBサイト)
甲府観光なび(甲府市観光協会)(WEBサイト)
環境省(環境省関東地方環境事務所)(WEBサイト)
信州ふるさと120山 信濃毎日新聞社

2022年09月現在

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