漆工町 木曽平沢しっこうまち きそひらさわ

漆工町「木曾平沢」は、木曽谷の入口に位置する贄川と奈良井の中間にある集落で、輪島や会津若松とともに日本有数な漆器産地の一つ。
 木曽の豊かな大森林で育った、木曽ヒノキ、サワラなどの良材や、海抜およそ900mに位置し、夏は涼しく冬は寒く、年間湿度が高いという気候が漆を塗る環境に適し、中山道の街道文化とともに産業として発展し、400~600年の歴史があり、木曽漆器の伝統技術や町並みを今に引き継ぐ「漆の町」である。
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みどころ

現在、木曽漆器工業協同組合の組合員は100企業を超え、その大半が木曽平沢に存在する。町中に多くの店舗や工房があり、漆器づくりを行う町並みを形成していることから、2006(平成18)年にこの建造物群が、全国漆器産地で初の「漆工町」として「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けた。
 「職人さんとの会話を楽しみながら気に入った一品を探し出すそんなお買い物はいかがですか」というキャッチフレーズをうたっている。
 木曽平沢の町の南西部には市立「木曽漆器館」があり、地元伝統工芸士はじめ人間国宝・県宝認定者の作品や歴史的な漆器の展示、また国の有形民俗に指定されている漆器産業の諸道具などの展示を行っているので、事前に見るしておきたい。また町の北東部、国道19号線にある道の駅「木曽ならかわ」には「木曽くらしの工芸館」があり、漆器をはじめとする木工品や地元特産品の展示・販売をしている。木曽漆器で作られた1998長野冬季オリンピック入賞メダルは、この施設で地元職人が作り、ステップサンプル及び実物が展示されている。
 毎年、6月第一金曜日から3日間、「木曽漆器祭・奈良井宿場祭」が開催され、漆器の販売や最終日には奈良井宿で「お茶壷道中」の行列が行われる。(林 清)
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補足情報

*木曽漆器:長い歴史のある「木曽漆器」は、1949(昭和24)年に国から「重要漆工集団地」の指定、1975(昭和50)年2月には伝産法に基づく「伝統的工芸品産地」として第一次の指定を受けた。2007(平成19)年には、文化財を後世に伝承するため産地で進めている漆「文化財修復事業」が「新日本様式100選」に認定された。名古屋城本丸御殿復元における、漆部門は木曽漆器職人が施工したものである。
関連リンク 木曽漆器工業協同組合(WEBサイト)
参考文献 木曽漆器工業協同組合(WEBサイト)
「塩尻の粋」パンフレット 塩尻市

2022年09月現在

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