こまつの杜こまつのもり

建設・鉱山機械メーカーのコマツ(登記社名:株式会社 小松製作所)が、会社創立90周年の記念事業の一環として、会社発祥の地である小松工場跡地に整備した施設で、2011(平成23)年5月13日に誕生した。
 コマツグループ社員のグローバルな人材育成の機能を担う「コマツウェイ総合研修センタ」、「テクノトレーニングセンタ」等の社員研修エリアに加え、当地にあった旧本社社屋を復元した施設「わくわくコマツ館」、加賀地方の里山を再現した緑地「げんき里山」等の施設で構成される一般開放エリアが設けられた。
 一般開放エリアは、2021(令和3)年5月に創立100周年を記念して、6月15日にリニューアルオープンし、わくわくコマツ館(歴史館・未来館・キッズ館)となった。アメリカとチリの銅鉱山で実際に稼働していた世界最大級のダンプトラック「930E」の隣には、新たに、コマツ金沢工場で生産された超大型油圧ショベル「PC4000」が設置された。
 地元行政や教育関係者、コマツを退職した地元在住のOB・OGで構成されるNPO法人「みどりのこまつスクスク会」の方々に協力いただきながらソフト面での充実を図り、多くの子供たちが集い、理科や自然、ものづくりに興味を抱く機会を積極的に提供することで、発祥の地である小松市に貢献することを目的としている。

 主な公開施設は以下の通りである。
◎わくわくコマツ歴史館:コマツ旧本社建屋を再現した地上2階建ての建物。建設機械の原理を体験できる展示・子供向けの理科教室の会場として活用してきたが、コマツ創立100周年を機にコマツの歴史展示館に生まれ変わった。1階は創業期から現在に至る100年の歴史の全体像を紹介する展示とシアターがあり、2階は「コマツウェイ」を紹介する展示と歴史を深堀できる展示となっている。
◎わくわくコマツ未来館:ミニショベル操作体験ができるエリアやこまつの杜オリジナルグッズを販売している売店がある。
◎わくわくコマツキッズ館:建設機械の仕組みを体験しながら学べる展示やキッズコーナーがある。
◎げんき里山:約2万㎡の広さに、加賀地方の自然と身近に触れ合える「里山ゾーン」、中央に位置する「遊びの広場ゾーン」、わくわくコマツ歴史館横、JR小松駅側の「桜並木ゾーン」の3つのゾーンを設けている。この「げんき里山」を中心として、「こまつの杜」全体で、約30,000本の植生がある。
◎超大型ダンプトラック「930E」の展示:海外の生産拠点であるコマツアメリカ(株)ピオリア工場で製造されている世界最大級のダンプトラック。車体(展示車両)の全高は7.3m、最大積載量は297トンを誇る。海外の大規模鉱山で、鉱石の運搬に多数使用されているが、日本には初めて持ち込まれた。展示車両は、実際に運転席まで上がることができる。
◎超大型油圧ショベル「PC4000」の展示:アメリカ・オーストラリア・チリ・カナダ・ブラジルなどの鉱山で使用されている。車両の高さは8.3m、重さ392トン、堀削できる高さは15m、バケットの積載量は40トン。展示車両は、実際に運転席まで上がることができる。
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みどころ

「こまつの杜」に隣接する小松製作所小松工場の跡地の一部に、小松市が「サイエンスヒルズ小松」を整備し、2014(平成26)年3月に全面オープンした。この施設は、“ものづくり精神の継承と科学技術意識の啓発”を目的とした「ひととものづくり科学館」と“未来に向けた地域の活性化と産業振興”を目的とした「こまつビジネス創造プラザ」からなり、「こまつの杜」と合わせて、「みんなで科学を遊び、ものづくりが好きになる」ような科学技術への理解を深める教育・学習・交流ゾーンとなることを目指している。