黒部五郎岳
北アルプスの奥深く、立山連峰の南端に位置し、頂上は富山県と岐阜県の境となる(標高2,840m)。黒部源流の山々の中でも雄々しく、雄大な山である。頂上から大きなカールが形成されている。山頂には岩が積み重なっており、五郎というのは人名ではなく、岩のごろごろした場所を「ゴーロ」というところからきており、「黒部」にある「岩のごろごろ」した「山」の意になる。
また、飛騨では神通川の支流高原川に注ぐ中ノ俣川の源流であることから中ノ俣岳と呼ばれ、越中では古くは鍋岳と称された。
また、飛騨では神通川の支流高原川に注ぐ中ノ俣川の源流であることから中ノ俣岳と呼ばれ、越中では古くは鍋岳と称された。

みどころ
黒部五郎岳へは、主には、富山県側の有峰湖畔の折立を起点に薬師岳を目指すように登り始め、途中の太郎山から尾根伝いに南に向かうコースと、岐阜県側の新穂高温泉から双六岳を通ってくるコースがあり、いずれも日帰りは難しい。山頂手前の分岐点と黒部五郎小舎の間には、県境でもある稜線をたどるルートと、東の斜面に広がる大きなカールの内側を歩くルートがある。カール内のルートは雪解け時、清流とチングルマ、コバイケイソウやミヤマキンポウゲなど色とりどりの高山植物の群落と、日本では珍しい羊群岩*なども見られ、緑とのコントラストが美しいお花畑になることで知られている「花の百名山」でもある。
三俣蓮華岳から眺めるカールの姿は見事である。深田久弥は『日本百名山』で「底から見上げたカールは実に立派である。三方を岩尾根に囲まれて、青天井の大伽藍の中に入ったようである」と称賛している。
三俣蓮華岳から眺めるカールの姿は見事である。深田久弥は『日本百名山』で「底から見上げたカールは実に立派である。三方を岩尾根に囲まれて、青天井の大伽藍の中に入ったようである」と称賛している。

補足情報
*羊群岩(ようぐんがん):氷河の侵食によって、氷河の底に突出していた岩盤が削られてできた丸みを帯びたこぶ状の小丘群。羊の群れのように見えることからこのように呼ばれ、羊背岩(ようはいがん)ともいう。カールや氷食谷の底にみられ、岩盤がほかに比べて硬い部分に発達しやすい。
関連リンク | 双六小屋グループ(WEBサイト) |
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参考文献 |
双六小屋グループ(WEBサイト) 山と溪谷社(WEBサイト) 『日本百名山』深田久弥 新潮社 『富山県山名録』橋本廣・佐伯邦夫編 桂書房 『富山県の山』佐伯郁夫・克美・岩雄・郁子 山と渓谷社 |
2025年03月現在
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