杉本寺すぎもとでら

鶴岡八幡宮から金沢八景へと通じる金沢街道沿いの山腹にある。杉本観音とも呼ばれ、坂東三十三観音の第1番札所である。寺は、734(天平6)年、行基の開創と伝える鎌倉最古の仏地。1191(建久2)年源頼朝が参詣して寺領を寄進、再興した。その後も頼朝・政子・実朝らがたびたび参詣している。
 茅葺の仁王門をくぐり、100段を超える急な石段を登ると、杉木立の中に1678(延宝6)年再建の寄棟造、茅葺の本堂が立つ。堂内には藤原時代・鎌倉時代の3体の木造十一面観音を安置している。天井には無数の納札が貼られ、境内にはためく奉納幟とともに、いかにも札所らしい雰囲気である。本堂脇には鎌倉時代の多数の苔むした五輪塔がある。寺背後の丘陵は三浦氏の支城杉本城のあったところ。境内の南正面に見える山は、政子が雪山にみたてて白絹を張りめぐらしたという衣張山がある。
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みどころ

奈良時代まで遡る創建、坂東三十三観音の札所であり、鎌倉に多い禅宗寺院とは異なる雰囲気がただよう。特に、苔むした石段はたいそう美しく、鎌倉最古の寺院としての長い歴史を感じさせる。
 なお、苔の石段は保護のために立ち入り禁止となっている。本堂への参拝にはその脇の石段を登る。(溝尾 良隆)
関連リンク 杉本寺(WEBサイト)
参考文献 杉本寺(WEBサイト)

2020年04月現在

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