鎌倉市は、神奈川県の南東部、三浦半島の基部に位置している。鎌倉の地形は、北を背にし、東と西の三方を山々で囲まれ、南側が海に面して開けている。山々の間に谷戸と呼ばれる谷間が多いことが特徴として挙げられる。
 天然要害の地であったこと、古東海道が通っていたことなどにより 1192 (建久3)年に源頼朝が幕府を開き、日本の政治・経済・文化の中心地として繁栄した。
 明治期になると、良好な海水浴場地として広く知られるようになり、横須賀線や江ノ電が開通したことなどから観光地・保養地として多くの文人・文士が移り住むとともに、観光地としても発達した。
 鶴岡八幡宮、鎌倉大仏、長谷寺、若宮大路などの名所史跡のほか、稲村ヶ崎、七里ヶ浜、由比ヶ浜などの景勝地・海水浴場、また、「神奈川県立近代美術館」、「鎌倉国宝館」などある。

観光資源一覧

神奈川県立大船フラワーセンターの写真

神奈川県立大船フラワーセンター (神奈川県 鎌倉市 )

大船駅の南西約1kmにある。神奈川県内の観賞植物の生産振興、県民への花卉園芸の普及と植物に親しむ場の提供を目的に、1962(昭和37)年に開園した。2018(平成30)年4月にリニューアルオープンし、指定管理者制度の導入に伴い、愛称を「日比谷花壇大船フラワーセンター」に変える。  フラワーセンター開園前、この場所には神奈川県の農業...

円覚寺の写真

円覚寺 (神奈川県 鎌倉市 )

北鎌倉駅のすぐ東に接する臨済宗円覚寺派の大本山。鎌倉五山の第二位に列せられている。1282(弘安5)年8代執権北条時宗が元寇の戦いの双方の戦死者を弔うために宋の高僧無学祖元*を招いて開山とし、この地に禅院を開いたのが始まりで、寺名は寺の起工の際、地中から円覚経を収めた石櫃(せきひつ)が出現したことによるという。その後、数...

円覚寺舎利殿の写真

円覚寺舎利殿 (神奈川県 鎌倉市 )

円覚寺塔頭の正続院*の内にある。方3間、単層、入母屋造、裳階付き、柿葺。わが国に現存する唐様(禅宗様)建築*の最古のものといわれ、扇垂木・粽柱・花頭窓など、いたるところによくその特徴を伝えている。以前は創建当初の建築とみられていたが、現在では室町時代に太平寺*の仏殿を移したものと考えられている。内陣に源実朝が中国宋か...

明月院の写真

写真提供:明月院

明月院 (神奈川県 鎌倉市 )

北鎌倉駅南東700mの明月谷の奥。数千株のアジサイの花が参道に並び咲くことからアジサイ寺とも呼ばれている。寺は、北条時頼が建てた最明寺跡に再興された禅興寺の塔頭で(禅興寺が明治初期に廃寺となり塔頭でなくなる)、室町時代初期、関東管領上杉憲方*によって開創された。  境内には1973(昭和48)年に再建された本堂、北条時頼廟、...

建長寺の写真

写真提供:建長寺

建長寺 (神奈川県 鎌倉市 )

臨済宗建長寺派の大本山で、鎌倉五山*の第一位に列する名刹。  1253(建長5)年5代執権北条時頼が宋の蘭渓道隆*を開山として創建した寺で、わが国最初の臨済禅専門道場となった。かつては七堂伽藍、塔頭49院を備えていたが、たびたびの火災で堂宇のことごとくを焼失、江戸時代になって将軍家の寄進を受けて、ようやく寺運は復興した。  ...

鶴岡八幡宮の写真

鶴岡八幡宮 (神奈川県 鎌倉市 )

鎌倉駅の北東、若宮大路の突きあたりにある。1063(康平6)年源頼義が奥州の前九年の役平定の後、京都の石清水八幡宮を由比郷鶴岡に現在の由比若宮を勧請し、その後1180(治承4)年鎌倉に本拠を置いた源頼朝は、大臣山のふもとに由比若宮を遷し、1191(建久2)年には大臣山の中腹に新たに御社殿を造営して源氏の守護神とした。これが現在の鶴...

鎌倉国宝館の写真

鎌倉国宝館 (神奈川県 鎌倉市 )

鶴岡八幡宮の境内、白旗神社の前にある。関東大震災後、鎌倉と神奈川県下の社寺・個人所有の文化財を受託し、保管・公開するために、1928(昭和3)年に建てられ、鎌倉市が管理している。  建物は奈良の正倉院を模した校倉式の鉄筋コンクリート造で、本館は国の登録有形文化財に登録されている。収蔵品は彫刻・絵画・工芸品・古文書などで、...

瑞泉寺の写真

瑞泉寺 (神奈川県 鎌倉市 )

二階堂の東端、紅葉ガ谷にある。1327(嘉暦2)年、鎌倉幕府の重臣二階堂道薀が夢窓国師*を開山として一宇を創建、瑞泉院と称したのが始まりで、のちに初代鎌倉公方足利基氏が中興して瑞泉寺と号し、以来、鎌倉公方足利氏4代の菩提所として、おおいに栄えた。境内に大正時代以降に再建された総門・山門・本堂・地蔵堂・開山堂・鐘楼・客殿な...

鎌倉文学館の写真

写真提供:鎌倉文学館

鎌倉文学館 (神奈川県 鎌倉市 )

長谷大仏の近くにある旧加賀藩前田家第16代当主で侯爵の前田利為の別邸を改築し、1985(昭和60)年に文学館としてオープンした。鎌倉文学史を概観できる展示室や講座室がある3階建の本館と、2階建の収蔵庫(非公開)がある。  本館の展示室は、旧前田邸のなごりの客間や居間などを利用している。建物は、西洋の木造建築ハーフティンバー様...

長谷寺の写真

写真提供:長谷寺

長谷寺 (神奈川県 鎌倉市 )

由比ガ浜通りの西の突きあたりにある。参道を抜けて拝観口を通ると、回遊式庭園があり四季の花木が楽しめる。階段を登った観音山の山腹に観音堂・阿弥陀堂・観音ミュージアム・鐘楼などが並ぶ。  736(天平8)年、藤原房前が徳道上人を開山として創建した寺と伝え、本尊に長谷観音の名で有名な十一面観音立像を祭っている。ミュージアムに...

鎌倉能舞台の写真

写真提供:公益財団法人 鎌倉能舞台

鎌倉能舞台 (神奈川県 鎌倉市 )

光則寺北の桑ガ谷にある。能楽振興のため、神奈川県に初めて建設された能楽堂で、1971(昭和46)年5月に完成した。舞台は間口5m、奥行4.5m、座敷舞台を現代風に再現しており、靴を脱いで上がる観客席は落ち着きがあり、座敷風に座って観能できる席と椅子席がある。  自主公演「能を知る会」のほか、琴・長唄などの古典芸能にも利用される。...

高徳院(鎌倉大仏殿)の写真

高徳院(鎌倉大仏殿) (神奈川県 鎌倉市 )

「美男におはす」(与謝野晶子の歌の一部)鎌倉の大仏として、あまりにも有名。  正式には大異山高徳院という寺の本尊である。寺の創建については明らかではなく、江戸中期の1712(正徳2)年、増上寺の祐天上人が中興して浄土宗とし、もと材木座光明寺の奥院であった。広々とした境内の奥、三方に回廊をめぐらした中央に露坐の大仏が鎮座し、...

鶴岡八幡宮例大祭の写真

鶴岡八幡宮例大祭 (神奈川県 鎌倉市 )

毎年9月14日~16日に開催される。14日は宵宮祭、15日は例大祭・神幸祭、16日は流鏑馬神事が行われる。  15日の例大祭は、神社本庁より幣帛(へいはく)を奉る献幣使(けんぺいし)を迎え、宮司以下神職、巫女、八乙女(やおとめ)が奉仕し、大勢の参列者を迎えて厳かに執り行われる。16日の流鏑馬神事は、境内中央を東西に走る流鏑馬馬場を...

永福寺跡の写真

永福寺跡 (神奈川県 鎌倉市 )

鎌倉宮から瑞泉寺に向かう途中にある。永福寺は、源頼朝が、源義経など奥州攻めで亡くなった数万の将兵の鎮魂のため、平泉の毛越寺・中尊寺に範をとり、1192(建久3)年に造営したもの。歴代の将軍たちによる蹴鞠や花見なども行われた。  二重屋根の本堂は二階堂と呼ばれ、今の地名の起こりとなった。阿弥陀堂・薬師堂ほかの堂塔に池をめぐ...

杉本寺の写真

杉本寺 (神奈川県 鎌倉市 )

鶴岡八幡宮から金沢八景へと通じる金沢街道沿いの山腹にある。杉本観音とも呼ばれ、坂東三十三観音の第1番札所である。寺は、734(天平6)年、行基の開創と伝える鎌倉最古の仏地。1191(建久2)年源頼朝が参詣して寺領を寄進、再興した。その後も頼朝・政子・実朝らがたびたび参詣している。  茅葺の仁王門をくぐり、100段を超える急な石段...

海蔵寺の写真

海蔵寺 (神奈川県 鎌倉市 )

鎌倉駅の北西1.2km、扇ガ谷と呼ばれる静かな住宅街の奥にある。1394(応永元)年、上杉氏定が鎌倉公方足利氏満の命を奉じて建立した。  盛時は塔頭10院を擁したと伝わるが、今は、小ぢんまりとした境内に、1776(安永5)年浄智寺から移した仏殿のほか、本堂・鐘楼・山門・庫裏を数えるのみである。本堂は、関東大震災後、1925(大正14)年...

銭洗弁財天(宇賀福神社)の写真

銭洗弁財天(宇賀福神社) (神奈川県 鎌倉市 )

源氏山の西方、佐助ガ谷にある。三方を岩に囲まれた狭い境内に、社殿・社務所・茶店・奉納鳥居が並び、社殿脇の洞窟、奥宮に鎌倉五名水*の一つの銭洗水が湧き出ている。この清水で銭を洗うと倍になるという信仰で、広く人々に親しまれている。  社伝によれば、この霊水の発見は、1185(文治元)年、源頼朝の夢枕に現れた隠れ里の主、宇賀...

光明寺の写真

光明寺 (神奈川県 鎌倉市 )

材木座の海岸近くにある浄土宗の大本山。境内は広く、壮大な山門をくぐると、17間四面の大殿をはじめ、開山堂・大聖閣・書院・方丈・鐘楼などが軒をつらね、大寺の格式を誇っている。  寺の起源は、4代執権北条経時が佐助ガ谷に一宇を建て、蓮華寺と称したのが始まりとされており、1243(寛元元)年現在地に移して、寺号を改めた。その後も...

江ノ島電鉄の写真

写真提供:江ノ島電鉄

江ノ島電鉄 (神奈川県 鎌倉市 / 神奈川県 藤沢市 )

鎌倉駅~藤沢間を結ぶ私鉄。鎌倉の歴史と文化、湘南の海と江の島*を見渡す開放的なロケーションを有する鉄道は1902(明治35)年に日本で6番目の鉄道として藤沢~片瀬(現江ノ島)間で開業し、110年以上の歴史を持つ。

鎌倉歴史文化交流館の写真

写真提供:Forward Stroke inc

鎌倉歴史文化交流館 (神奈川県 鎌倉市 )

世界的に著名な建築家ノーマン・フォスター率いるフォスター+パートナーズによって、設計された個人用住宅を活用。  建物は、2004(平成16)年に「Kamakura House」という名で竣工。2013(平成25)年、所有者が土地と建物整備費用を市に寄贈し、2017(平成29)年5月に、当初の意匠を残す形で改修を施し、当館はオープンした。市では、市民...

古我邸の写真

写真提供:古我邸

古我邸 (神奈川県 鎌倉市 )

幕末の横浜開港後、横浜の居留地に住む外国人たちは鎌倉をリゾート地として見出し、頻繁に訪れるようになった。その後、JR横須賀線の開通を契機に、洋風の別荘が相次いで建てられた。  古我邸は、三菱合資会社の専務理事だった荘清次郎の別荘として15年を費やして建てられた。関東大震災後の対策会議もここで開かれた。  1937(昭和12)...