豊洲市場とよすしじょう

東京都中央卸売市場の一つとして1935(昭和10)年に開設した築地市場は、80年以上にわたり、東京の食生活を支える魚河岸として親しまれてきたが、2018(平成30)年10月6日に閉場。その代替施設として同年10月11日に開場したのが豊洲市場である。
 豊洲市場はJR・都営地下鉄新橋駅、あるいは東京メトロ豊洲駅からゆりかもめで、「市場駅前」下車すぐ。一般来場者は午前5時から入場できる。市場は水産卸売場棟、水産仲卸売場棟、青果棟の3街区に分かれているが、歩行者デッキが整備されており、水産物部や青果部ではセリを見学できる。水産卸売場棟で人気の高いマグロのセリを見学デッキから見るには事前申し込みが必要で、抽選制のため注意。2階の見学通路からは予約なしで見ることができるが、多くの人が集まるため、見えにくい場合もある。セリの見学時間は午前5時45分から午前6時25分までとなっている。
 一般来場者が買い物を楽しめる物産エリアの「魚がし横丁」では、水産仲卸棟4階を中心に約70の専門事業者が営業している。鮮魚介類は取り扱っていないが、仲卸売場にはない食材や道具等を手に入れられる。早朝時間帯は魚屋やプロの料理人などへの業務対応が多いため、一般来場者は午前8時以降から昼前がおすすめ。
 飲食エリアは3つに分かれ、管理施設棟に13店舗、水産仲卸売り場棟に22店舗、青果棟に4店舗。寿司や天ぷらなどの和食のほか、中華、洋食など39店舗が営業している(閉まっている店舗がある等、店舗数には多少変化がある)。
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みどころ

非常に広い市場なので、3棟を見て回るには時間がかかるが、「見る」「買う」「食べる」が用意された楽しい施設になっている。見学者通路が設けられた豊洲市場は、卸の関係者と一般客とのエリアがはっきり分かれているため、以前の築地市場とは異なった趣となっている。
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補足情報

 2024年2月1日に、商業棟「豊洲場外江戸前市場」と温浴棟「東京豊洲万葉倶楽部」からなる「豊洲千客万来」が、市場の場外エリアである水産仲卸売場棟手前に開業した。商業棟では築地の伝統を引き継ぎ、市場ならではの新鮮な食材等をいかした飲食・物販店舗を展開。御影石や淡路島の「いぶし瓦」などの伝統的な建築素材、多摩産材などを採用した木造建築が並び、江戸の古い街並みを再現したオープンモールとなっている。
 温浴棟の温泉では、専用トレーラーで運搬した箱根・湯河原温泉の湯を楽しめる。館内では湯処(露天風呂・サウナ)、岩盤浴、エステ、マッサージなどが楽しめ、1日ゆっくりと滞在できるくつろぎの空間となっている。屋上には、東京豊洲万葉倶楽部入館者用および一般無料開放用の2つの展望足湯庭園が設置され、豊洲の景観を一望できる。
参考文献 東京都中央卸売市場(WEBサイト)

2025年06月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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