多摩森林科学園のサクラたましんりんかがくえんのさくら

JR高尾駅の北西に広がる約56万m2の森が多摩森林科学園である。明治時代は御料林だったが、1921(大正10)年に、帝室林野管理局林業試験場となってから、試験研究のための林となった。一部には自然林も残され、動植物にとって貴重な生活の場になっている。園内は、樹木園とサクラ保存林とに分かれる。7万m2の樹木園には、昭和初期から、国内外の樹木約500種、3,500本が植えられている。樹木園は第1~第3に分かれており、第1樹木園では、国内外の針葉樹を中心に見ることができる。第2樹木園は、落葉樹も多く、四季の変化が楽しめる。第3樹木園は、もともと林業用樹木の試験林であったため、外国産の樹木が多い。センペルセコイヤやヤツガタケトウヒなど、他では見ることが出来ない貴重な樹種もある。
 森の科学館*で、サクラの品種の系統解析や開花情報に関する研究成果などが展示されている。多摩森林科学園は林野庁所管の国立研究開発法人森林総合研究所が管理運営する。有料。
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みどころ

科学園にもっとも多くの人が訪れる時期は、サクラの咲く3月後半から4月末までで、お目当てはサクラ保存林である。約8万m2のサクラ保存林には、江戸時代以前から伝わる栽培品種や天然記念物に指定されたサクラのクローンなど、全国から集められた約1,800本のサクラが植栽されている。500系統のサクラがあるので、3月後半から4月末までの長期間にわたって、華やかなサクラの花を楽しむことができる。サクラの開花期でなくても、新緑や紅葉など8万m2もある斜面をのんびりと散策するのもおすすめ。園内ガイドツアーでは、森の案内人が樹木園やサクラ保存林を散策しながら、森の動植物を中心に、樹木の名前や見分け方、季節のみどころ、森の機能について解説してくれる。平日の火曜日から金曜日、10時から実施する。無料(3月後半~4月のサクラの時期は混雑のため休止)。
 駐車場がないので、徒歩10分の高尾駅から歩くのがよいだろう。車で来る場合は、近くの民間の駐車場を利用する。
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補足情報

*森の科学館:無料。常設として、多摩の森の生き物たち、サクラ保存林にようこそ、ようこそ森の学校へ、などをテーマに展示がされている。