明治神宮外苑いちょう並木めいじじんぐうがいえんいちょうなみき

東京メトロ・都営地下鉄青山一丁目駅そばの青山通りから聖徳記念絵画館へまっすぐにのびるイチョウ並木の道は、都内でも風情のある並木路の一つといわれる。1923(大正12)年に整備された並木で、イチョウは樹齢100年を超える。これらのイチョウは、1908(明治41)年に新宿御苑の在来木から採集した種子を豊島御料地(現在の明治神宮内)の苗圃に蒔き、樹高6m内外に成長した1,600本の中から、更に年々樹形が整ってきたものが選ばれた。この時の兄弟木は、スケート場前から明治神宮北参道に通じるJR千駄ケ谷駅前道路(旧内外苑連絡通路)の並木など、内・外苑の各所に植栽された。イチョウを選んだのは、緑量も豊富で気品高く、公害にも強いためである。並木の造園を手がけたのは、日本の近代造園の師と言われ、欧米の庭園の調査視察も熱心に行なった折下吉延(1881~1966)で、外苑造営当時は主任技師だった。
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みどころ

11月中旬から12月上旬が黄葉の見ごろ。その後、道路を敷き詰める落ち葉も美しい。絵画館の正面階段上より見ると、立体感とスケールの大きさが実感できる。
 周りの環境との調和もよく非常に美しいのは、➀絵画館を眺める遠近法の活用。樹高順に青山口より1mの下り勾配にしたがって植えた。②4年に一度、葉のない1~3月にかけて円錐三角に樹姿を整える作業を行なっている。この二つによる。
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補足情報

*明治神宮外苑:青山通りの北側、港区・新宿区・渋谷区の3区にわたる総面積約30万m2の地域で、神宮球場・神宮プール・秩父宮ラグビー場などのスポーツ・文化施設がある。明治のころは青山練兵場があったが、原宿に明治神宮が創立された後、その外苑として1923(大正12)年に整備され、国の施設として管理されるようになった。戦後は宗教法人明治神宮の外苑として国の管理をはなれ、独自の事業収入により諸施設の管理運営を行い、現在に至っている。国立霞ヶ丘競技場陸上競技場(1964年の東京オリンピックのメイン会場)は外苑の施設であったが、1956(昭和31)年に文部省に移管され、現在は神宮外苑から外れている。
関連リンク 明治神宮外苑(WEBサイト)
参考文献 明治神宮外苑(WEBサイト)

2025年06月現在

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