迎賓館赤坂離宮
JR・東京メトロ四ツ谷駅の南、徒歩7分。迎賓館赤坂離宮は、1909年(明治42)年、ご成婚を控えた皇太子嘉仁(よしひと)親王(後の大正天皇)の住まいである「東宮御所」として建設された。設計は片山東熊(とうくま)*が担当し、当時の一流の建築家や美術工芸家が総力をあげ、10年もの歳月をかけて完成した日本初の本格的なネオ・バロック様式の宮殿建築である。地上2階、地下1階、幅125m、奥行89m、高さ23.2mと広大な建物だが、夫妻の寝室が東西両翼に位置しているため数十m離れ、寝室の近くに化粧室がないなど実用性には難があり、大正天皇が住むことはなかった。
1948(昭和23)年以降は国の所有となり、国立国会図書館、法務庁法制意見局、裁判官弾劾裁判所、同訴追委員会、法務省訟務局、憲法調査会、東京オリンピック組織委員会、臨時行政調査会に使用された。
現在の建物は外国からの賓客の宿泊施設として、5年余の歳月と108億円の費用をかけ、外装・内装ともに村野藤吾の設計による大改修で1974(昭和49)年に完成したもの。本館は石造りと鉄骨補強煉瓦造りを組み合わせた左右対称の建物。屋根は緑青でおおわれた屋根の中央部には青銅製の阿吽の甲冑が、少し離れた左右には金の星を散りばめた天球儀と金色に輝く霊鳥が4羽飾られているほか、内部は天井画、じゅうたん、豪華な家具類、優雅な装飾タイル、シャンデリア、その他の工芸品など、現代美術の粋を尽くした芸術品で飾られている。
本館の東側にある別館「游心亭」は、迎賓館本館で執り行われる行事や接遇が洋式であるのに対し、和風の意匠と接遇で外国の賓客を迎える施設として、1974(昭和49)年に谷口吉郎の設計で新設された。これまでにイギリスのエリザベス女王をはじめ、世界第一級の国賓を迎えている。游心亭の見学は完全予約制。
明治期の日本人建築家の設計による建築の到達点を示し、建築における文化史的意義が深い迎賓館は、平成21(2009)年、「旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)」として、明治以降の建築では初めて国宝に指定された。
1948(昭和23)年以降は国の所有となり、国立国会図書館、法務庁法制意見局、裁判官弾劾裁判所、同訴追委員会、法務省訟務局、憲法調査会、東京オリンピック組織委員会、臨時行政調査会に使用された。
現在の建物は外国からの賓客の宿泊施設として、5年余の歳月と108億円の費用をかけ、外装・内装ともに村野藤吾の設計による大改修で1974(昭和49)年に完成したもの。本館は石造りと鉄骨補強煉瓦造りを組み合わせた左右対称の建物。屋根は緑青でおおわれた屋根の中央部には青銅製の阿吽の甲冑が、少し離れた左右には金の星を散りばめた天球儀と金色に輝く霊鳥が4羽飾られているほか、内部は天井画、じゅうたん、豪華な家具類、優雅な装飾タイル、シャンデリア、その他の工芸品など、現代美術の粋を尽くした芸術品で飾られている。
本館の東側にある別館「游心亭」は、迎賓館本館で執り行われる行事や接遇が洋式であるのに対し、和風の意匠と接遇で外国の賓客を迎える施設として、1974(昭和49)年に谷口吉郎の設計で新設された。これまでにイギリスのエリザベス女王をはじめ、世界第一級の国賓を迎えている。游心亭の見学は完全予約制。
明治期の日本人建築家の設計による建築の到達点を示し、建築における文化史的意義が深い迎賓館は、平成21(2009)年、「旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)」として、明治以降の建築では初めて国宝に指定された。

みどころ
撮影禁止の本館内部のみどころ
・正面玄関ホール 深紅の絨毯が出迎える。床の市松模様は、白い部分にはイタリア産大理石のビアンコ・カララ、黒い部分には宮城県産の玄昌石が用いられている。中央階段を上った先の大ホールには、イタリア産大理石のブレッシュ・ビオレットを使用した8本のコリント式円柱が並ぶ。
・朝日の間 要人の表敬訪問や首脳会談が行われ、国賓が天皇皇后両陛下と別れの挨拶をする、館内で最も各式の高い部屋。部屋の装飾はルイ16世様式で、シャンデリアや椅子は創建時にフランスから輸入されたもの。天井を飾るのは朝日を背にした暁の女神オーロラの絵画。桜花を散りばめた敷物の緞通やビロードのカーテンは新たに製作された。
・彩鸞(さいらん)の間 賓客が最初に案内される控えの間で、現在は首脳会談や条約調印に使用される。部屋の左右にフランス産大理石を使った暖炉が配され、両脇に、国が平和の時に現れるという、古代中国の想像上の鳥の「鸞」の彫刻が施されている。
・花鳥の間 晩餐会や記者会見が催される間。木曽産のシオジ材で板張りされ、白壁に金箔装飾が多用された館内において、シックな趣を醸す。壁には四季の草花の中で戯れる鳥を表現した30枚の七宝焼きが飾られ、天井にはフランス人画家による36枚の絵が貼り込まれている。
・羽衣の間 かつては舞踏室と呼ばれ、オーケストラボックスを備え、壁には和洋の楽器のレリーフが施されている。館内ではもっとも広い部屋で、クリスタルガラスを含む約7,000ものパーツを組み合わせた3基のシャンデリアも館内最大。歓迎式典や晩餐会の招待客に食前酒をふるまう場として使われるほか、演奏会が行われることもある。
・正面玄関ホール 深紅の絨毯が出迎える。床の市松模様は、白い部分にはイタリア産大理石のビアンコ・カララ、黒い部分には宮城県産の玄昌石が用いられている。中央階段を上った先の大ホールには、イタリア産大理石のブレッシュ・ビオレットを使用した8本のコリント式円柱が並ぶ。
・朝日の間 要人の表敬訪問や首脳会談が行われ、国賓が天皇皇后両陛下と別れの挨拶をする、館内で最も各式の高い部屋。部屋の装飾はルイ16世様式で、シャンデリアや椅子は創建時にフランスから輸入されたもの。天井を飾るのは朝日を背にした暁の女神オーロラの絵画。桜花を散りばめた敷物の緞通やビロードのカーテンは新たに製作された。
・彩鸞(さいらん)の間 賓客が最初に案内される控えの間で、現在は首脳会談や条約調印に使用される。部屋の左右にフランス産大理石を使った暖炉が配され、両脇に、国が平和の時に現れるという、古代中国の想像上の鳥の「鸞」の彫刻が施されている。
・花鳥の間 晩餐会や記者会見が催される間。木曽産のシオジ材で板張りされ、白壁に金箔装飾が多用された館内において、シックな趣を醸す。壁には四季の草花の中で戯れる鳥を表現した30枚の七宝焼きが飾られ、天井にはフランス人画家による36枚の絵が貼り込まれている。
・羽衣の間 かつては舞踏室と呼ばれ、オーケストラボックスを備え、壁には和洋の楽器のレリーフが施されている。館内ではもっとも広い部屋で、クリスタルガラスを含む約7,000ものパーツを組み合わせた3基のシャンデリアも館内最大。歓迎式典や晩餐会の招待客に食前酒をふるまう場として使われるほか、演奏会が行われることもある。

補足情報
*片山東熊:1854~1917 明治の建築家、特に宮殿建築で活躍した。ルネサンス様式の作風で知られ、代表作の赤坂離宮や表慶館などのほか、各地に遺作が多い。
関連リンク | 迎賓館赤坂離宮(内閣府)(WEBサイト) |
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参考文献 | 迎賓館赤坂離宮(内閣府)(WEBサイト) |
2025年06月現在
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