日光二荒山神社中宮祠にっこうふたらさんじんじゃちゅうぐうし

中禅寺湖の北岸、男体山を背後にする。湖畔に銅鳥居が立ち、中門・拝殿・本殿など、総朱塗、銅板葺の華麗な社殿が湖に面して立ち並んでいる。
 784(延暦3)年、勝道上人が二荒山(男体山)の冬季遥拝所として、この地に二荒山権現を祭ったことに始まると伝え、以後、山岳崇拝の道場として栄えた古社である。江戸時代までは神仏習合の信仰によって中禅寺と一体であったが、明治の神仏分離で中禅寺から分離、二荒山神社の本社に対する中宮となった。
 本殿の右手から男体山頂の奥社まで登拝路が通じ、山岳信仰の遺風を伝える男体山登拝大祭で知られている。境内の主な社殿は江戸時代の造営である。1701(元禄14)年に寛永の大造替に次ぐ大がかりな日光修築があり、中宮祠の社殿はこのときの造営とされている。
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みどころ

日光東照宮をはるかに越える歴史のある神社である。神社の背後には御神体でもある男体山がそびえ、神域であることをより感じさせる。
 境内は、本殿など7棟が重要文化財に指定されている。二荒山神社が所有する刀剣等の多くの宝物は、宝物館*で展示されており、ぜひ見学したい。
 男体山の登拝口の近くにあり、樹齢は1000年を超えるといわれる巨大なイチイの木は、見事である。
 中宮祠*は二荒山上奥宮登拝口である。登拝する人は「男体山登拝受付」に届ける。登拝口に「男体山登拝番付」があり、数々の記録の札が下がっている。「1日24時間8回往復」、「1年間95回往復」、これまでに「606回登拝」といった驚くべき記録がある。これらを見るのも面白い。(溝尾 良隆)
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補足情報

*中宮祠とは、日光山内の本社と男体山の奥宮の中間にあるのでその名がある。
*年中行事:武射祭(1月4日)、男体山登拝大祭(7月31~8月7日)。
*宝物館:境内の東側にある鉄筋コンクリート造2階建・屋根銅板葺の建物。境内に調和するように、外観は社殿風の建築である。男体山頂出土品のほか、二荒山神社の神宝、奉納刀剣類、神輿などの展示があり、特に太刀・短刀・槍など特異な山岳崇拝を物語る奉納刀剣類には国宝クラスの逸品が多い。2階陳列場の壁画『山霊感応図』は前田青邨作。
関連リンク 日光二荒山神社(WEBサイト)
参考文献 日光二荒山神社(WEBサイト)

2022年06月現在

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